実際にスペイン巡礼を300km歩いてみて、持ち物について行かれる方に参考になるように忘れないうちに書いておきたい。
リュック 日常生活で使っている25リットルのバックパックを使用。
25リットルというのは普通の旅行では小さいかもしれないが、何しろ徒歩で歩き続けるのだ、バッグを大きくしてしまうとつい色々入れてしまう。
余裕はほとんどなかったが、おのずと荷物を厳しく選択し、軽量化するために、この大きさでよかったと思う。
◎充電とネット環境
GoogleMapを使ったり、帰りの飛行機の予約をしたり、現代の旅にスマホやタブレットなどは必須だ。
スペインは200Vであり、日本から対応の充電器をもっていったのだが、そうそうに煙をあげてしまい、マドリードで現地仕様を調達した。Cタイプと呼ばれる丸い差込口だ。
巡礼宿では1箇所以外すべてWifiがあった。(その一箇所は教会経営のアルベルゲだった)
ただし、5ユーロの公営アルベルゲでは無線が非常に混雑し、ネットがつながりにくい、遅いということがしょっちゅうあった。
充電箇所も限られており、充電しにくいこともある。
一泊10ユーロのプライベート(私営)のアルベルゲでは、差別化のためか、ネットと充電環境が充実しており、そのような問題はほぼ解消されていた。
またバッテリータイプの充電器ももって行った。
いざ、その日の終わりに宿を見つけたりする時に電気がなければどうにもならない。
毎日ではないが使う日も1日、2日ではなかった。
情報入手や連絡手段は非常に重要であり、こういう旅ではあった方がいい。
私はWifiだけに頼らず、ボーダフォンでSIMを契約をした。
ひと月10ユーロ。千円ちょっとで使えるのでお勧めだ。
これで巡礼中はもちろん、wifiが混雑している巡礼宿でもスムーズな通信が確保できる。
◎寝袋
プライベートアルベルゲでは、紙の枕カバーとベットシーツを配布されることが多い。
公営アルベルゲでは持参の寝袋を使うことになる。
私はこんな薄っぺらな寝袋を使ったが、何も問題ない。
シャワーを浴びたあとの体で眠るのだからきれいなものだ。
むしろ暑いときは横を大きく開けて眠ることもあった。
◎トイレットペーパー
これはほとんどアルベルゲで用意されていた。
たまに切れていることもあるがそんなに神経質になることもない。
私はもっていったポケットティッシュを大量に持ち帰った。
◎服装
暑いと思って半そで、短パンで歩こうと思っていた。
ところが乾燥したスペインは快晴続きで日差しが強く、日焼け対策で結局長ズボンで歩き通した。日焼け止めは必須。
上は半そで一枚でアンダーシャツは着ない。
なぜなら、荷物がかさばるからだ!
◎洗濯
私は半そでシャツは2枚しかもっていかなかった。
1枚は歩き用。
1枚は宿や食事ですごす用。
朝、歩き用を着て1日中歩き通す。
巡礼宿(アルベルゲ)に着いて最初にすることはシャワーを浴びることだ。
その時に歩き用のシャツや下着、靴下などをちゃちゃっとハンドウォッシュしてしまう。
洗濯物を最小限にしたいのでアンダーシャツは着ない。
それに暑いから不要だ。
そしてすぐに干しておくと、乾燥したスペインでは数時間で乾くので、夕食前後に取り込むといい。
朝まで置いておくと露が下りていたこともあった。
コインランドリーのある巡礼宿に泊まったときに、今着ているもの以外をすべて洗ってしまう。乾燥機もある。
洗剤はコインで買うタイプと、洗剤が箱ごとドンとおいてあるところがあった。
いずれにしても日本から持っていかなくても大丈夫。
なお、洗濯ばさみはある場合が多いが先客が使って余っていないこともよくあるのでもっていった方がいい。
私はシャワーの洗面具用具セットに中に洗濯ばさみも入れておき、シャワーの後そのまま干し場に行った。
なお、干し場は必ずある。(ただ洗濯物でいっぱいであまりスペースがないことがあるが、なんとかなった。洗濯ひもももっていったが、結局一度も使わなかった。)
◎靴と靴下
日本で30km程度歩いて、マメはできないか、痛いところはないか充分チェックしておく。
それでもマメはできる。
靴は丈夫なものを。
途中で靴底が離れて、買い換えることになってしまった。
靴下は、2枚重ねの2組もっていったが、2足とも同じところに穴が開いてしまった。
登山屋さんで買った結構丈夫そうな靴下にも関わらずだ。
そのくらい300kmの巡礼はハードだということ。
イトイテックス
なお、絆創膏はスペインのスーパーでも売っているが、マメができるのは歩き始めの頃なので買い物なども不慣れであり、日本から持って行く事をお勧めする。
◎石鹸とシャンプーリンス、タオルなど。
基本的に巡礼宿にはこれらはない。
一泊5ユーロなのでぜいたくは言えない。
多めに用意しておこう。
私は石鹸でハンドウォッシュも行った。
シャワーはすべてのところでお湯が出たが、日本人からしてみたら、もう少し温度が欲しいところもしばしば。
まぁ真夏だから大丈夫。
それにしても困ったのが、服や石鹸、シャンプーなどをぶら下げておくフックがないことだ。
フックどころが、石鹸やシャンプーをおいて置く、ステンレスの水切りカゴのようなものもほとんどない(一箇所だけあった)
だから着替えなどを入れたスーパーの袋をぶら下げるためにS字フックを持っていくといい。
スペイン人たちはいったいどうやってシャワーを使うのか不思議でならず、観察してみたことがある。
すると服を囲いの壁の上にかけていた。
日本人の私からすると、そういうところが掃除が行き届かなくて、ホコリが溜まりやすく、服をかけたらたっぷりホコリがつきそうで、とてもかける気にならないのだが、
彼らが代わる代わる服をかけて、服でホコリをぬぐってくれているのだろうか?!
問題は石鹸などはどこに置いているのかということだ。
これは巡礼最後の地サンティアゴのセミナリオ(神学校)のアルベルゲで判明した。
ここはシャワーが男女共用になっている。
私がシャワーに入った時に誰もいなかったが、そこにはフックがあって服がかけてあることに気づいた。
誰もないので、そのTシャツとそのスポーツブラを濡れないように壁の上にかけておいた。
それで私は服を脱いでいたら誰かがノックする。
そこに服をかけたままどこかに行っていた女性が帰ってきたようだ。
私は「ああごめんなさい 使ってください!」と言ったのだが、
「大丈夫です 私こそ、ごめんなさい」ということで、服と石鹸をとった。
私は石鹸がおいてあることに気がつかなかったのだが、それはシャワーの落ちる真下に、石鹸のケースに入れて置いてあった。
なるほど!
確かに石鹸のケースに入れておかないと、置き場がないのでシャワーを浴びている間にどんどん石鹸が溶けてしまう。
ということで石鹸ケースがあった方がいい!
ちなみに彼女は大学生くらいの若い女性だったが、シャンプーやリンスらしきものはなかった。
シャワーの下に直接置くので、あまりごちゃごちゃ置けないからか。
それとも向こうの女性は石鹸だけで済ませてしまうのか。
それにしてもあっけらかんとしたもので、彼女は私の隣のシャワールームに入って洗い始めた。
そうこうすると彼女の友達まで入ってきて、きゃっきゃと話しながらシャワーを浴びてる。
何だか私の方が女子シャワールームに男がひとりでいるみたいで恥ずかしくなってしまった(*^^*;