韓国自転車旅行術

私が釜山からソウルまで自転車で縦断して得た経験を忘れないうちにまとめておきます。韓国を自転車で旅しようとする方は参考にしてくださいね。

韓国へ自転車を持って行く

今回の韓国自転車縦断のは大学生の次男が去年「こんなんあるよ」と関釜フェリーがJRの青春18きっぷを提示すると半額の4500円になる情報をLINEで投げてきたことがきっかけだった。

4500円で海外に!(笑)

そりゃ素晴らしいね!

ということで調べてみたら、自転車はそのまま乗せても追加で1000円じゃないですか!

大分から関西のフェリーでも自転車は2200円なんですよ。

国内より安い。

そんなに手軽なら行ってみるか!と今回なったわけです。

今時USJに行っても入場料だけで8900円もするそうで、

韓国は4500円で行ける異国のワンダーランドといえよ~(笑)

ちなみに折り畳み自転車や、自転車を分解し、輪行袋に入れて乗船すれば、どちらも追加料金なしで自転車を運べます。

半額の4500円になるのは雑魚寝の2等

関釜フェリーが半額の4500円になるのは雑魚寝の2等です。

これがどうしても苦手という人は、追加料金で個室などもあります。

博多港から出ているJRの水中翼船ビートルなら3時間45分で到着し、船中泊がありません。

ブロンプトンなら海外旅行のカバンサイズと変わらないので、持ち込めると思います。(問い合わせていませんが)

6千円台からあり、十分に検討に値します。

折り畳み自転車か輪行は必須

下関から釜山へは自転車は千円の追加で運べるので、釜山周辺だけをサイクリングして釜山から帰国するなら、自転車をたたむ場面はありません。

しかし、ソウルまで走ると、帰りは鉄道になりますが、その時に折り畳みか輪行状態でないと列車に乗せることができません。

ですから、折り畳み自転車か輪行は必須となります。

ソウルから釜山に自転車をそのままバスで運ぶ方法があるらしい

これは行きも帰りも偶然フェリーで一緒になった広島大学自転車部のひとり旅野郎が、帰りに教えてくれたことです。

彼はテントなどの持っていたため自転車を原型のままフェリーで往復しました。

そしてソウルで現地の人から情報を得て、ソウル郊外の仁川(イチョン)から釜山への直行のバス便があり、そのバスは腹の荷物入れに自転車を原型のまま乗せてくれるというのです。彼は実際にその方法で釜山に戻ってきたと言ってました。現地の人はみんなそうしていると。

これは私は未経験です。そうしたい人は事前によく情報収集してください。

下関駅往復の国内移動

私は割引条件の青春18きっぷで行きました。

大分からは門司駅まで乗り換え1回で門司港まで行けました。

門司港を観光し、対岸の下関に移動しました。

私は雨になったのでJRを使いましたが、関門トンネルは人道を自転車を押して通ることができるため、門司港から下関駅の移動は何の問題もありません。

次男は大阪からフェリーで新門司にあがりました。

輪行の場合は、特急や新幹線が便利

青春18きっぷは原則「普通運賃の列車」しか乗れません。

「快速」までですね。

もし下関駅まで乗り換えがたくさん必要な場合は、特急や新幹線を使った方がいいでしょう。

実際、帰りは次男が輪行状態だったので、小倉から大分へは特急ソニックで帰りました。乗り換えが必要なく、車両の一番後ろの席の指定をとると大きな荷物が置きやすいからです。

ブロンプトンだけだったら、普通列車で帰ったかもしれませんね。

両替

私は最近は、カードで現地通貨をキャッシングすることがほとんどだったのですが、なぜか釜山でキャシングしようとするとエラーになります。

何か所か移動して試してみましたがダメ。

日本円をウォンに釜山駅近くの両替店で買えましたが、手数料込みでジャスト1000ウォン100円のレートでした。

両替店は釜山駅近く「のテキサスストリート」というところに密集してました。

田舎でウォンがなくなったらどうしようかなと思いましたが、その心配はまったくありませんでした。

韓国ではどんな小さな店でもほぼ何の嫌な顔もされずにカードで決済できます。

日本以上のカード社会です。

ですから、カードがあれば必要最小限の現金があれば何も困りません。

しかも日本同様に手数料をとることは禁じられているようで、現金もカード決済も同額です。

(バリ島などではカード決済の場合、数%程度割高な金額を再計算して請求されます。)

利息も付かないし、手数料も向こうもちで嫌な顔ひとつされないので、韓国旅行ではカード決済が非常に便利です。

なぜかキャッシングではエラーになったカードが普通に使えました。

韓国縦断自転車道の出発地点は、乙淑(ウルスク)島

出発地点は釜山市内から西に10kmほど走った、乙淑(ウルスク)島がスタート地点だ。

この地図の①の地点ですね。

ここからの自転車道はほんとうによく整備された素晴らしいサイクリングロードです。

一般道ではなく自転車道を通ることを「強く」お勧めします。

韓国では道路は車優先であり、一般道でも80キロ制限のところまであります。><

スタンプラリー

この釜山からソウルまでの自転車道のスタンプラリーのサイクル手帳も乙淑(ウルスク)島で入手できます。

ルートのところどころにあるこんな「電話ボックス」にスタンプが置いてあります。

私たちもこれを入手し、可能な限りスタンプを集めて回りましたが、完走の記念メダルなどには交換しませんでした。

その手続きのために、ソウルから郊外の仁川(イチョン)まで走らないといけないからです。

なぜなら漢江(ハンガン)自転車道はそこまで続いており、そこまで走って完走だから。

でも私たちはソウルに初めて訪れたわけです。

そんな郊外の仁川よりも、ソウルを見て回りたい。

完走メダルなどどうでもいい。(笑)

ということで私たちは、釜山からソウルまで完走しましたが、仁川のサイクルセンターに行っていません。

ですから、完走記念メダルはなく手帳がそのまま記念ですね(笑)

密陽(ミリャン)からは自転車道を外れ大邱(テグ)に向かった

上の地図を再掲します。

右下の乙淑(ウルスク)島から、1日で上部中央の密陽(ミリャン)まで走りました。

その後、ルートは洛東江( ナクトンガン)沿いに西に延びているわけです。

しかし、川ばっかり走っても飽きてきます。

だから、密陽(ミリャン)から私たちは自転車専用道を外れて北に向かい大邱(テグ)に到着しました。

大邱は韓国第三の都市です。釜山が第二、首都のソウルが第一です。

ということで、これで韓国三都物語が完成です!(笑)

単調な川沿いをずっと走り続けるより、私たちは大邱(テグ)を選びました。

川よりも国や人、文化を見たいので。

だから密陽(ミリャン)から西のスタンプはいくつかありません。

はじめからスタンプラリーを完成する気などなかったのです^^;

ソウルから出発すべきか?釜山から出発すべきか?

冬はソウル発がおすすめ

私たちは釜山からソウルに向かって縦断しました。

しかし3月はどちからと言うと北風が卓越していました。

1日だけですがかなり強い逆風になりました。

はっきり言って川沿いで障害物がなく、風が強いとつらいです。

追い風ならどんなにいいか!

風だけを考えるなら3月上旬から中旬でもソウルから釜山が追い風となります。

冬ならもっと強い風が吹くでしょう。

ただ強い風は1日だけであり、それもアクセントと思えるなら問題ありません。

ただずっと強い逆風なら閉口するでしょうね。

やっぱり追い風を受けて、しゅらしゅしゅしゅっ♪と走りたい。

ということで冬季はソウル発をお勧めします。

都(みやこ)にのぼるワクワク感

ただやはり都(みやこ)に向かってのぼっていくのはワクワク感があります。

最初にソウルに行ってしまうと、ソウル以上の規模の町はないわけです。

やっぱり楽しみは後にとっておきたい。

それに韓国は日本からフェリーで自分の自転車を手軽に運べる稀な国です。

だから自宅から出発して外国の首都に到達できる「思えば遠くに来たもんだ!」感が楽しめます。(笑)

そのためには大分→下関→釜山→ソウルといかないと、「自宅からはるばる自転車で来たぜ」感が薄れます。

ですから、ここは釜山から出発したい。

体の慣れの問題

6百数十キロを10日間程度で走るには、毎日60キロ以上走ることが必要です。

私たちは60キロから90キロ程度は走っていました。

日本で毎日その距離を自転車で走っている人はほぼいないと思います。

ということは、体が慣れていないわけです。

2.3日すると「そういう生活」に体が適応してきます。

その際、ソウルからは3日目にコース最大の難関、聞慶峠(ムンギョンセジェ)にチャレンジしなければなりません。

しかも、ソウルからそこまでに激坂があります。

しかし、釜山から聞慶(ムンギョン)まではずっと川沿いで、小さなものしか坂はありません。

ですから、釜山から走りはじめた方が、体を徐々に慣らすことができ、聞慶峠(ムンギョンセジェ)に差しかかるころには「かかってこんかい!」という程体力が上がっていることでしょう(笑)

日本は山が多く、例えば九州でも大分からやまなみハイウェイを越えて熊本方面に抜ける道の方が、よほどキツイです。

ですから、日本で山道を走る経験のある自転車乗りにとって、まったく恐れるに足りません。

まぁ私は押して歩きましたが(笑)

韓国にもロードバイク乗りはたくさんいます。

空身の彼らが必死に立ち漕ぎして何とか越えていける感じです。

旅荷物をもったブロンプトンな私はさっさと降りて歩きました(笑)

しかし全行程からみればそういう坂はほんの少しです。

大半は緩やかな大河沿いのとても快適な自転車道です。

パンク修理

私は日本ではほとんどパンクしないのですが、海外では長距離を走るためか、ほぼ1回はパンクします><

自転車道路は、川沿いであり人の住む集落からは離れています。

ですから自分自身でパンク修理できることは必須です。

予備チューブを二本持って行き、チューブ交換で対応しました。

そしてチューブの修理自体はホテルでやります。

暖房も効いており、水も貯められ、落ち着いて修理できます。

こうして必ず「正常なチューブ」が常に手元にある状態でツーリングすべきでしょう。

結局1回しかパンクしませんでしたが、「パンクしたらおしまい」という状況は精神衛生上よくありません。

今回は自転車道を離れ、迂回して一般道を走っている時、植物のイバラを拾ってパンクしました。急がば廻れで自転車道をそのまま走っておけばよかったなと思いましたが、宿へのアプローチや食事など、一般道を走る場面は必ずあるので、パンクはするもの。しなければラッキーくらいに準備しておいた方がいいですね。

ネバーマップが必須

韓国ではグーグルマップははっきり言ってまったく役に立ちません。

道案内はせいぜい公共交通機関くらいで、歩行や自転車はもちろん車のルートもほぼ案内できません。

グーグルマップが役に立つのは飲食店の評価です(笑)

その滞在地で評判のいい店を探すのには大いに役立ちましたが、そのままグーグルマップではルート案内できない。

韓国では南北対立が長く、軍事上の問題で地図情報は重要な軍事情報でもあるので、制限されてきたようです。それでグーグルマップは立ち遅れた。

LINEの親会社である韓国のNEVERの地図は、飲食店はもちろん、自転車ルートもきちんと案内し、非常に使い勝手がいいです。

ただしネットが使える環境でなければいけません。

つまり現地SIMカードを刺したスマホでネバーマップを入れて、使用するのが現時点でベストでしょう。

広島大学自転車部野郎は、スタンプのサイクルパスポートの地図だけで旅したので、自転車ルートから離れることができず、大邱などにも寄れなかったと言ってました。そのくらいグーグルマップだけだと、行動が制限されます。

SIMカードは釜山港国際ターミナルの到着フロアーで入手できる

釜山港国際ターミナルの到着フロアーで入手できます。

KTでは3日、5日、10日、30日を選べました。

この写真の右上がKT。(見えにくいですが)

同じフロアのセブンイレブンでも入手できます。

こちはら7日と15日間。

自分の旅行予定に合わせて選ぶといいですね。

宿泊

釜山やソウル、大邱と言った大都市ではホテルやゲストハウスはいくらでもあり、何も問題ありません。

私たちは一泊目の釜山だけは予約しておいて後はすべて前日か当日宿を決めた。

自転車ではどこまで行けるか走ってみないとわからない。

それに入国初日の宿はイミグレーションで記入しないといけないからね。

大邱では伝統の韓屋に泊まったりしました。

やはりその国の優れた文化に接するのは旅の大きな楽しみですからね。

さて問題は、途中の地方都市です。

観光地でもなく、ネットの予約に対応していないところが多い。

韓国にはチムジルバン(韓国式サウナ)がたくさんあり、泊まれるということを事前に調べていたので、予約できない地方では、チムジルバンを探して目的地にした。

チムジルバンは床暖のある広間で雑魚寝というパターンが多く、日本の山小屋と同じで詰めればいくらでも寝ることができ、「満室」で泊まれないということはない。

営業していれば必ず泊まれる。

これは予定の立てにくい、あるいはパンクなどで急変もあり得る自転車の旅では、たいへん重宝した。

チムジルバン

地方都市ではどこでも判をついたように1泊千円でした。(一か所700円のところがあった)

ソウルではソウル駅に数百メートルの便利なチムジルバン「シロアムサウナ」で一泊1700円。

ここでは広間で雑魚寝もできますが、宿泊専用の階もあります。

ゲストハウスよりいいかもしれない。

首都の駅の近くで、館内でお風呂やサウナはもちろん、散髪、マッサージ、あかすり、レストランなどたいへん充実しているわけです。スマホ充電専用ロッカーもあります。

日本人も結構利用していました。

これで1700円ならソウルのゲストハウスはこれより高くしたら誰も行かないでしょうね(笑)

ただ「個室」だったのは、最初の蜜陽(ミリャン)チムジルバンの洞窟と

ソウルの「シロアムサウナ」だけで、あとは床暖の効いた大広間に雑魚寝というパターンです。

ですからフェリーの二等で泊まるのは苦手という人はやめた方がいいでしょう。

大広間は男女兼用ですが、女性専用エリアを設けているところは結構ありました。

私たちはハングルが読めず、最初は結構そこに侵入してしまっていましたが^^;

後半は、「そこに男性もいるか?」とよく観察してから入るようにしました。

広島大学自転車部のひとり旅野郎はチムジルバンの存在をしならなかったらしく、河原でテントを張ってずいぶん寒い思いをしたと言ってました。

体も洗えてサウナに入れ、床暖の効いたところでぬくぬく寝られるのだから、テントよりもずっといいと思いますけどね。荷物も少なくなるし。

特にソウルのチムジルバンはビルの中の総合レジャーランドみたいな感じでファミリーで来ている人も多いです。

下は私が撮った写真でないですが、こんな感じですね。

写真の後ろの方でゴロゴロ転がっていますよね(笑)

床暖で暖かいのでこんな感じで寝ちゃいます(笑)

マットや枕、毛布もありますよ。

ただ、ソウル初日のチムジルバンで若い日本人グループがいたのですが、みんな夜は静かに寝ているのに・・・

それが、まぁ中学生の修学旅行状態なんですね。

こんな大広間で深夜2時過ぎとかでも大きな声でぺちゃくちゃきゃっきゃやっている。

日本語で。

韓国の人はみんな日本人だと気づいていますよ。

ちょっと同じ日本人として恥ずかしかった。

もう何度か起きて注意しに行こうかと思ったくらい。

チムジルバンは韓国の文化であり、朝には身なりを整えてそこから出勤する人もたくさんいるわけです。

とても便利で助かりますが、異国の私たちはただでさえ不慣れなんだから、彼らの邪魔にならないように謙虚に利用させていただきたいですね。

食事

外国ではもっとも日本人の口に合う国のひとつでしょう。

異国のエキゾチックさもあり、おいしく、とても楽しかった。

特に地方ではもう、野菜は食べ放題みたいな感じで、6皿くらいはキムチやお惣菜が、サービスでズラリと並びます。

ただキムチの辛さが苦手な人は厳しいかも。

まずほとんどのところでキムチはでます。

日本でご飯を頼めばおしんこが着いてくるようなものです。

白菜キムチはもちろん、まぁ大根キムチ、ゴボウキムチ・・・色んなキムチがある。

それが食べられないと楽しみ半減です。

日本ではカレーは辛口が好き!くらいの人がちょうどいいでしょうね。

ただソウルの「るるぶなお店」では辛さ控え目だった気がします。

ソウルから釜山へ鉄道で戻る

私の調べた限りでは、韓国の新幹線であるKTXには輪行状態でも自転車は乗せられず、急行のムグンファ号なら折り畳み、あるいは輪行状態なら乗せられます。追加料金は必要ありません。

ムグンファ号には自転車を原型のまま持ち込める車両があるとの情報を得ていて、

ソウル駅の窓口で「これに乗りたいのだけど」と写真を見せたけど、「折りたたむか、輪行状態でないとダメ」と言われ、結局この車両には乗れませんでした。

だから、折りたたむか、車輪を外して袋に入れる技術と道具を持っておくことは必須です。

釜山駅から釜山港国際ターミナルへ

釜山駅から釜山港国際ターミナルへは歩ける距離です。

簡単に展開できるブロンプトンの私は、自転車に戻して押して歩きましたが、輪行状態の次男はそのまま抱えて釜山港国際ターミナルに歩きました。

そのくらいの距離です。

乗船手続きは17時半まで、18時過ぎには出国のためにイミグレを通過し、乗船します。

下関国際港は釜山行だけですでターミナルはひとつですが、釜山港からは福岡便など多くの便が発着しますからターミナルを確認して乗船します。

出航は午後21時です。

まぁ風呂にでも入って免税の一番搾りを飲んでのんびりすることですね(笑)

これが韓国縦断自転車旅行の一連の流れです。

日本から一番手軽な素晴らしい外国のサイクリングロードなので、自転車好きの人はぜひ一度行ってみるといいですよ。

特に桜の季節は素晴らしいでしょうね。

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