レオンから歩き始めて300km、ちょうど2週間で、最終目的地サンティヤゴ・デ・コンポステーラに到着した。
サンティヤゴとはスペイン語で聖ヤコブの意味だ。
ヤコブはもちろんイエスの12使徒のひとりで、イエスの十字架後、単身スペインにイエスの教えを伝えにやってきた。
もちろん誰一人キリストのことを知らない時代で、その活動は大変困難なものだったという。
一時ヤコブはエルサレムに戻るが、イエスなきあとキリスト教の勢いが衰えていたが、ヤコブが戻ることで再興を恐れた時の権力者に殺されてしまう。
ヤコブは最初の殉教者となった。
死体は船に乗せて流されたというが、志半ばで終わったヤコブのスペインへの思い絶ちがたく、その船がスペインに流れ着いたという。
紆余曲折を経て、この地に葬られたそう。
コンポというのは原野、ステーラは星を意味する。
この街の名前は「原野の星の聖ヤコブ」だ。
イエスの教えを伝えるために、ひとり旅し、何もないところからその一歩を踏み出したヤコブを葬った丘はただ原野だった。
ヤコブからもたらされたその教えはやがてヨーロッパ全体に広がり、彼が葬られた原野には今や大聖堂が立ち、世界中から巡礼者がやってくる。
巡礼者はそのヤコブの最初の旅に、自らの巡礼の旅を重ねサンティヤゴ・デ・コンポステーラ(原野の星の聖ヤコブ)を目指す。
今では聖ヤコブはスペインならびにヨーロッパの守護者として尊崇されている。
話は変わるが私は学生時代にヨット部に入っていたのだが、船の一杯(船はいっぱい、にはいと数える)にステラという名前がついていた。スペイン語の星という意味だったのか!
最後の巡礼宿(アルベルゲ)は元神学校(セミナリオ)。
歴史のある建物でエレベータはなく、階段を歩いてあがる。
そしてまた部屋までの回廊がぐるっと長い!
そこをしずしずと歩く。
部屋は寄宿舎だったようだ。
シングルルームの簡素な部屋で、本棚と机がある。
この部屋で生活しながら、セミナリオの勉強に励んだのだろう。
1枚目の建物の写真は、この窓から写したもの。
流しやクロークもついたこんな立派な部屋で15ユーロ(1800円)なのだからありがたい。
食事は大聖堂の近くのお店で食べた。
坂と石畳のヨーロッパらしい素敵な街だ。
これを写している場所は広場の続き全体が石段になっており、そこにたくさんの人が座っていつまでも夜を楽しんでる。