姫島は大分県唯一の村である。
長男が帰省し、どういう訳か姫島に行きたいというので出かけて来た(笑)
姫島へのアクセス
別府・大分方面からだと日出ICからの無料の自動車専用道、大分空港道路を終点まで利用し、国道213号線を走るのが景色もよくスムーズ。
伊美港に駐車場がある。
そこに車を止めて、フェリーで往復するといい。
伊美港姫島間は村営フェリーが結構頻繁に往復している。
姫島←→伊美(所要時間約20分)
便
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姫島発
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伊美発
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1 | 5:50 | 6:20 |
2 | 6:55 | 7:30 |
3 | 8:05 | 8:40 |
4 | 9:15 | 9:50 |
5 | 10:25 | 11:00 |
6 | 11:35 | 12:10 |
7 | 13:00 | 13:35 |
8 | 14:10 | 14:45 |
9 | 15:20 | 15:55 |
10 | 16:30 | 17:25 |
11 | 18:00 | 18:45 |
12 | 19:15 | 19:45 |
人口2千人の島にこれだけ頻繁に往復していれば立派なものである。
村営であり、自分たちの足は自分たちで守るという自治の気概を感じる。
大人片道570円(往復切符あり)
姫島の由来
古事記によると伊邪那岐命(いざなぎのみこと)、伊邪那美命(いざなみのみこと)の二柱の神が「国生み(くにうみ)」にさいし、大島を生み、次に女島を生み、その女島が姫島だそう。
「姫島のあたりにならぶ島もなし、うべもいひけり天の一つ根」と古歌に歌われている。
(姫島の周囲に比べるような島はない、「天の一つ根」よ言うのももっともなことだ)
日本書紀によると、垂仁(すいにん)天皇の時代に、白い石から生まれた美しい姫が意に沿わぬ結婚から逃れるために、姫島に辿り着いて比売語曽(ひめこそ)の神になったそう。
それで姫さまの島になったそうだ。
垂仁(すいにん)天皇の時代に「かぐや姫」の話が生まれているから、もしかしたら、この白い石から生まれた美しい姫さまは「かぐや姫」かもしれない。
姫島の地形
島にしては非常に平地が多いのに驚いた。
実は7つの火山跡があるそうで、太古に火山活動によって生まれた4つの島が砂洲でつながって一つの島になった。
だから通常の島と比べてとても平地が多い。
火山活動による特徴的な地形も多く、平成25年に日本ジオパークに認定されている。
見て回って変化があって楽しい島でもある。
その火口湖のひとつで車エビ養殖がされており、平地の広さが車エビの養殖場を広く確保することを可能にした。車エビ養殖は姫島の主要産業になっており、島の豊かさを支えている。
姫島のグルメ
伊美港に車を止めて、フェリー乗り場に行くと、
姫島車えびしゃぶしゃぶのポスターが貼ってあり、予約すると車エビ一本サービスとのことで、ポスターをみながら電話をする。
行った店は、「姫乃屋」
理由は姫島だから(笑)適当に選んだ。
上の店のリンクにも書いてあるが、ここは地元で採れた天然車エビが自慢料理であり、エビが実にうまくとてもよかった!
しかし、これだけ車えびの養殖のさんな島で、本当に天然の車エビをわざわざ使うのかなと思わないでもなかったが、後で島を一周してみて、この時期島の車エビ養殖池はすべて水を抜いてあり、冷凍のおみやげなどでは養殖ものがたくさん流通しているが、生の車エビは、この季節養殖自体がされていないことがわかった。
ということで、天然車エビをおなかいっぱい楽しむ贅沢が味わえる。
だいたい日本のエビはほとんどが海外の養殖ものであり、国産のしかも天然ものとなると、なかなか都市には流通していない。
こういうのが離島のグルメの醍醐味といえよ~
ちなみに、姫乃屋さんはフェリーを降りたところから、歩いて2・3分で到着する。
こちらが私が実際に食べた車エビ。
よく出汁のきいた和紙の鍋に、お野菜と車エビを入れてしゃぶしゃぶして食べる。
くさみはまったくなく、とても地味深くてうまい!
こういう「長いヒゲ」がついているのが地物の特徴で、冷凍モノは頭を落とすので、ヒゲも当然落ちている。
こちらは塩焼き。
塩加減もちょうどよく、レモンをしぼってかぶりつく。
天然車エビのうまみがじわじわ染み出して最高!^^
こちらは、エビフリヤァ(名古屋弁ふうに)
でかし!
しかも二匹。
天然もの!
もうご飯とこれだけで、「エビフライ弁当」級であり大満足の一品。
なんとも贅沢な天然車エビずくしであった。
姫島古庄家
車エビをお腹いっぱい食べて散歩していると、庄屋さんの家らしい建物が見えてきた。
誰もおらず、道具もそのまま置いてあるので、「入ってもいいのかな?」と一瞬思ったが、よく見ると、案内板もあり、「見てください」ということなのだろうと思って入ってみた。
立派なおうちである。
昔の道具がそのまま置いてある。
この中央の入り口の右側には下の写真のように、道具がそのまま立てかけてあるわけです。
もう、使っていた当時そのままというか。最後に置いてその後誰も触っていないというか。
こういう状態で無人で何十年も置いてあっても、誰も勝手に持っていったりしないわけです。
姫島の人々の民度がいかに高いかがよくわかる。
治安が非常によく、盗難など思いもよらないから、こういうオープンな展示で誰も番をしていない。
観音崎
庄屋さまの家からほど近い、観音崎に歩いて行く。
観音崎は、姫島一番の景勝地だそうで、黒曜石の産地でもある。
この日、外海は結構波が高く荒れ気味であったが、この中は波が静か。
「紅の豚」のポルコのアジトみたいだ(笑)
ここはこの地図の左上、観音崎火口にあたる場所である。
つまり火口なんですよ!
火口の天然良港の秘密基地!
ロマンそそられるわぁ~
シーカヤックなんかで旅する時、しけを逃れてここに逃げ込み、
焚火をして一夜をすごすなどと、妄想が膨らむのであった!
私の姫島一番のお気に入りの場所。
達磨山火口
次に歩いて訪れたのは、上の地図の右下、達磨山火口。
この時期すっかり干されて手入れ中だが、ここは車エビの養殖池として使われている。
海水面より、ちょっと高い場所にあるので、揚水しているのだろう。
姫島海水浴場
達磨山火口からフェリー乗り場に戻ってもう少し歩くと、姫島海水浴場。
正面が達磨山。
とてもいい感じの浜で、海に面して3棟立派なバンガローが建っている。
夏に何も考えずのんびり過ごすのは最高のところ。
姫島から見る向かいの国東半島の景色はこんな感じ。
癒されるわぁ~
姫島灯台
こんな雄大な景色を楽しみながら歩き続けて、姫島灯台に到着。
レトロで、アンティークでいい感じの灯台です。
一匹毛並みのいいシャムネコが住み着いていてじゃれてきます。
近くにハートの切り株もあります。
ハートの切り株
灯台やハートの切り株は下の地図の稲積火山にあります。
そこから歩いて金火山に向かいます。
お目相手は拍子水温泉
拍子水温泉
姫島のお姫さまが水が必要な時に手で拍子をパンパンと打つと、水がこんこんと湧き出したそう。
柄杓が2本備え付けてあり、飲めば成分のこゆい炭酸泉。
風呂上りのビール代わりに「あ゛~」とごくごく飲みました^^;
湯船はこんな感じ。
左側の湯船は10数度くらいで冬に入るには冷たい感じですが、地元に人は右の熱いお風呂に入ったあと必ず、冷たい方に入って上がっていかれましたね。(特にサウナはありませんが)
タオルも貸してくれ、浴室に石鹸シャンプーも置いてあり、手ぶらで気軽に入れます。
泉質もばっちりでとってもおすすめ。
310円。
島内には無料バスが巡回
島内には無料バスが巡回しているが、結局なんだかんだと「歩こうか」となってしまい、
午後から18時の帰りのフェリーの時間まで、一周歩いて回ることができました。
恐らく15km~20kmくらい歩いたと思います。
ウォーキングにちょうどいい大きさの島ですね。
町や人々の様子
こういう離島なので、すっかり過疎化していると思いきや意外と子供たちや若い人たちの姿もよく見かけます。中学校からは野球の練習をしている声が響いていました。
新しく建てたり、リフォームしていたり、きれいな家も多いです。
もしかしたら、大分県の平均的な町よりも街並みがきれいかもしれません。
通りに面して花が植えてあったり、家庭菜園が上手に作ってあったり、歩いていて楽しいです。
おばあさんが海岸で海藻を干していたので、「食べるのですか?」と声をかけて聞いてみると、「いいや。これはみかんの肥料にするととてもいい。」と教えてくれました。
温泉に入っていても気さくに声をかけてきてくれたり、非常に穏やかで温和な感じです。
ということで、何気なく「ふらっと」行ってみた姫島ですが、とても楽しい島でした。
手軽にウォーキングと自然の景観や「非日常」を味わいたいときぜひどうぞ!