自分のやりたいことを知る

ご質問をいただきました。

「(高校生の息子さんに)理想を高くもて、日頃からいつもいっているのですが、本人的には行きたい学校も目指すべき理想もないといっています。
親の私もそうなのでしょうがないのですが、自分本来の本当にしたいことをみつけるには、天命をしるには何か良い方法があれば教えて下さい。

・・・
これは自分が一番よくわかっているんですが、私自身この年になっても(57歳)自分のやりたいことがわからないんです。
なんとなく生きている感じです。」Yさま(2016年2月1日 15:28)

人は自然な状態では自分が何をしたいのかわかっています。
赤ちゃんはおっぱいを飲みたいですよね。
ハイハイしたいですよね。
つかまり立ちしたいですよね。
歩きたいです。
走りたいです。
自転車に乗ってみたいです。

そういう自然な探究心を自分に許せばいいんですよ。

しかしある頃から「将来のため」などと言いながら、自分のやりたいことよりも、宿題とか勉強とか、塾とかそういうものを優先しはじめます。

うまくのせて本人が望んでやっているのならいいです。
あるいは、本当にやりたいこととうまくバランスさせてるのならいいです。

しかし、本当に自分のやりたいことにフタをしてしまい、
自分が本当にしたことを探求することすらやめてしまい、
ただひたすら「将来のため」親や学校の先生の言うことを守り、自分の喜びではなく、順位や偏差値でものを考えるようになると、すっかり本当は自分が何がしたかったのかわからなくなります。

人の期待にこたえるだけの人生ですね。

人の出題した問題に上手にこたえる人生、
上司の指示に上手にこたえる人生です。

自分の人生に対する期待のことはすっかり忘れてしまいました。

自分の人生のことは、自分以外の人は誰も知らないのです。

自分の人生については、誰もが自分が出題者にならないといけないのです。

きっと君にとってこれは面白いよ、興味深いと思うよ、やってごらん。

本当は親や学校の先生がこれをすべきなのです。

しかし、その子が興味をもつことではなくて、「決められた」ことにその子を適応させることで精一杯なんですよ。

でもその環境の中から、本来自分がしたいことを知っている子供を育てること、これこそがチャレンジです。

一度そういう子供を育てたら、その子は自分の子に、もっと自分がしたいことと社会とうまく折り合う方法をもっと上手に教えることでしょう。

そうやって社会は改善されていくのです。

実際のところ、自分が本当にしたいことを存分に発揮した人が、最も社会に貢献するのです。

人間と言うのはそのようになっているのです。

ですから、自分のしたいことを知り、それを実現する子を育てることは最大の社会貢献です。

世の中において、それほど重要で尊い仕事はありません。

次回につづく

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