放射能の現状と福島の復興

原発事故の現状をまとめたものがなかなかなかったので、自分でまとめました。

放射能汚染の現状

福島の現状は、やはり小出裕章さんの講演「3.11から7年 放射能のいま」がわかりやすかった。

日本国政府が、IAEA(国際原子力機関)に提出した報告

日本国政府が、IAEA(国際原子力機関)に提出した報告書によると、

大気中だけで、広島の原爆の168発分が放出された。

(28分頃)

文部科学省作成の放射能汚染地図によると

文部科学省の地図によると、

福島県の東半分を中心にして、宮城県と茨城県の南部・北部、栃木県、群馬県の北半分、千葉県の北部、岩手県、新潟県、埼玉県、東京都の一部が放射線管理区域(4万ベクレル/㎡を超える区域)にしなければならない汚染を受けた。

放射線管理区域とは、法律によって特別な訓練を受け免許をもった技術者しかその区域に入ることはできず、中では食べること、飲むこと、排泄などは一切禁止され、寝ることなどは論外、つまりそこでは「生活してはいけない」と法律で定められ、以下の表示で一般人の立ち入りを厳重に禁じている区域です。

科学的放射能許容量の推移

キュリー夫人が活躍した1900年頃、放射線の許容量はとても大きかった。しかし、科学的研究が進むにつれて、年を追うごとに規制は厳しくなる一方だ。このトレンドならば今後も規制は厳しくなることはあっても、緩むことは決してない。

それを放射能で給料をもらう職業人でさえ、生活をすることを許されないエリアに、日本国政府は規制を緩めることで、人を帰還させようとしている。

国連人権理事会は、年間1ミリシーベルトを超える地域への子供や出産年齢の女性の帰還停止を日本政府に要請した。

放射線によるガン死と年齢の関係

放射線によるガン死と年齢の関係は以下のようになっている。

身体の細胞分裂が止まった50歳以上では、放射線の影響をあまり受けないが、30歳を平均にして若い世代ほど、多大な影響を受ける。

0歳児は、55歳を比べると300倍(15152÷49)以上もガン死しやすい。

だから、国連人権委員会がこれから出産をする女性と子供に、年間1ミリシーベルトを超える地域への帰還を停止するよう要請したのは、極めて合理的で科学的な判断なのである。

食べて応援?学校給食?

福島県ではよりによって2013年から、「学校給食に県産食材を用いる際の購入費を補助する制度を設け、活用を促進している。」という。

そのおかげで、子どもたちは震災前よりもたくさんの福島県産食材を給食で食べているそうだ。

頭がおかしんじゃないのか?

放射能に対する影響が子供の数百分の1の老人ホームとか、そういうところで県内産食材を使おうというのならわかる。

食べるなら、大人が食べるべきじゃないのか。

なぜ子供に食べさせるのか。

せめて10年経ってから

セシウム134はセシウム137と比べてガンマ線が3倍も強い。

そのセシウム134は半減期2年であり、10年程度でほぼ影響がなくなる。

せめて10年程度経過してから、食べて応援・学校給食みたいなことをすべきではないのか。

なぜ、科学的にはっきりしていることに従って行動しないのか?

我が国の原子力安全行政のトップは当時・・・

原子力安全委員会は原子力の安全の確保について企画し、審議し、決定する。

原発事故当時、その原子力安全委員会の班目春樹委員長は、

原発事故翌日3月12日管直人首相とヘリコプターで福島原発に向かった。

管直人首相は機内で班目春樹委員長に「水素爆発は起るのか?」とたずねた。

班目委員長は「格納容器のなかでは窒素で全部置換されていて酸素がないから爆発はしない」と答えた。

帰京後に官邸で1号機の水素爆発の映像がテレビで流れる。

委員長は「あー」とだけ言い、頭を抱えて前のめりになった。

ぼうぜん自失し「(水素爆発とすぐにわかったが)誰にも言えなかった」。

日経新聞

おいっ!

3月12日に1号機、14日には3号機、15日には4号機で相次いで水素爆発が発生した。

班目春樹委員長は「事故当時、1週間以上ほとんど寝ておらず、記憶は飛んでいる。どういう助言をしたか、ほとんど覚えてない。」そうだ。

こういう人が日本の原子力安全の総責任者をやっている。

原子力安全行政の官僚トップは当時・・・

寺坂信昭経済産業省原子力安全・保安院前院長は、事故直後に官邸をこっそり離れて戻らなかった。

その理由を問われて、

「私はどうしても事務的な、事務系の人間でございますので、これだけの非常に大きな事故、技術的な知見というものもきわめて重要になってくる、そういった中で、私が残るよりも、官邸のほうに技術的によりわかった人間が残ってもらうというほうがいいのではないかと、これ私自身が判断いたしまして、私が原子力安全保安院のほうに戻った次第でございます。」

えっ?

原発の技術的知見がない人が原子力安全・保安院院長してるの!@@

原発事故が起こるわな~

こういう人を原発安全の総責任者に任命するような国は、原発なんか作っちゃいけんのですよ。

だから食べて応援とか学校給食で子供たちに食べさせるとか、ロクなことをせんわけです。

もうね、まともじゃない。

白血病10倍、甲状腺がん29倍

南相馬市議会議員の大山弘一氏が南相馬市立総合病院から病名ごとの患者推移データの提供を受けて集計したところ以下の結果となった。

同病院の外来患者数は2010年の82,954人と比較し、2017年には81,812人と1,142人の減少する中でこの結果になっている。

放射能を「なかったこと」にするのではなく、水素爆発が起こった数日だけでも、屋内にいたら、

セシウム134がほとんど消える10年間だけでも、非汚染地域の食べものを子供たちに食べさせていれば、ここまでの悪化は防げたのではないか。

福島・保護者アンケートより

「女性自身」が福島の保護者に行ったアンケートを見つけた。

回答者の約9割が、汚染・被曝・健康被害などをなかったことにして、“復興”をアピールする国や県の姿勢に批判的だった。

まともじゃん!

本来の復興とは福を興す福興であってほしい。だが、今行われているのは福興でも復興でもなく、不幸である。子供たちの健康被害を真剣に考え、デタラメや誤魔化しを止めること。こんな当たり前のことが出来ていない。まず、風評被害ではなく、実害があることを認めなければならない。そして少なくとも、生活圏を放射線管理区域にあたる1平方メートルあたり4万ベクレル以下まで除染すること。そして食品の基準を事故前の基準まで戻すこと。子供たちの保養を真剣に考えること。福島県はIAEAとの協定を止め、このような事が二度と起こらないように脱原発を世界中に訴えるべきだ。ウクライナと協力して、過小評価されてきた被曝影響を世界中に明らかにすべきである。

原発事故が完全に収束し、子どもでも安全に安心して暮らせる環境に戻ってはじめて真の復興と言えると思う

こどもが健やかに過ごせ、成長できる状態。復興、復興風評被害のオンパレード。実害中です。せめて学校給食は地元産は控えてほしい。

事故前の線量に戻り、健康被害もなく、環境の心配がなく暮らせた時だと思います。みせかけだけのアンダーコントロールではなく、原発もしっかりコントロール出来て放射線も放出しないように収束出来てこそ「復興」という言葉を使えるのだと思います。

日本の原発が全て停止して、国民が同じ意識で放射能の怖さを理解して放射能を閉じ込め除染がおわり、、、、。でも悲しすぎるけど我々の生きてるうちの復興はできないと思う。父や母のいる大好き福島は安心だけど安全ではない、土や水、空気の汚染された場所で命の営みは本当に悲しいけど不可能だと思います。

福島のみんなが豊かに生きること。震災前に描いていたくらし、自然の恩恵を授かり自然の中での生活が不安なく出来ればとは思うけど、家族もバラバラなので私たち家族の復興はない。

医療や学校、福祉サービス、交通網、防災対策、商業施設が元以上になり、全ての土壌、海洋を含む水質から放射線物質が検出されず、全食品からも検出されず、被害者皆が納得した賠償を受けれて、生活再建ができた上で、避難者若者の9割が心から安心して戻ってこれたという結果があること。

食べて応援…そんな事をするから、避難をする私達は悪者になる。今の復興は、子供を守りたい親の気持ちと逆の事をしている。

形だけの復興は目先の復興。子どもたちを犠牲にしてまでも金、経済が大事?狂ってるとしか思えません。子どもたちが健康で生きれる環境がなければ本当の復興はあり得ない。通常の災害は、そこから復興に向かって進みますが、原発事故の被害はそこから広がっていくことを考えると、これからが地獄になってくるだろう。予防原則に従って子どもたちを避難させない日本という国に失望してます。

私の復興とは、安全優先で情報を国民に隠さず、家族が一緒に生活出来る事。もう3.11以前の環境で生活する事は出来ないと理解している。せめて、子ども達の給食や運動する環境が国民が安全安心できる、そして情報隠し無く国民が分りやすい状況が出来た時だと思います。

エネルギー政策や過去の県政市政の間違いを反省し、汚染された現実を受け止め、物や土地への執着はやめて、補償されるべきものは求め、その場しのぎでない真の復興を目指す。

政府や福島県、東電が非を認め、福島県のためき、復興対策に必死に取り組み、福島県に安心して暮らせるようになったときが復興になるのではないかと考えます。子供支援法とか名前だけの法律を決める前に、福島県民の声に耳を傾けるべき。福島県に、県民を帰還させることより、福島県で生活することが安全であるのか、根拠を示し、県民を安心させるべきではないかと思います。

メディアでは「食べて応援」とか、「学校給食」とか、「何もなかったようなフリ」ばかりが目に入ってきて、もうみんな頭がおかしくなってしまったかと思っていたが、福島の人はみんなまともだ。おかしいのは政府とかメディアなのだ。

原発事故は福島の人のせいじゃない

原発事故が起こったのは福島の人のせいじゃないんですよ。

福島の人が使う電気でもなかった。

東京電力が関東の人が使う電気を福島で発電し、事故を起こしてしまった。

(東京電力の供給エリア)

福島の人はもう完全にとばっちりです。

福島の人は受益者でもない、自分が考えて実行したことでもないことで、自分の住んでるところをこんなにされてしまって。

東北電力は、東電福島第一原発のすぐ近くに、女川原子力発電所を持っていた。

女川にも福島第一(14m)とほぼ同じ13mの津波が到達したが、大事故を起こさなかった。

東北電力は、東電が無視した貞観地震(869年)を考慮に入れて原発を作ったからだ。

東北電力には、東電より地元出身の人が多い。

元東北電力副社長、平井弥之助氏は女川原発の設計段階で防波堤の高さは「12 メートルで充分」とする多数の意見に対して、たった 1 人で「14.8 メートル」を主張し続けていた。最終的には平井氏の執念が勝り 14.8 メートルの防波堤が採用された。そして40 年後に高さ 13 メートル津波が襲来する。平井弥之助は 宮城県柴田町に生まれる仙台一中に進学した。

やはり自分のふるさとを壊すわけにはいかない。

しかし東電にとって福島はどうでもいいのだ、安く上がればいい。

その土地を愛していない者が勝手なことをするとこんなことになる。

安倍政権は水道を外資に開放したが、外人も水道が「安く上がればいい」のだ。

こういうものはその土地を心の底から愛している人が命にかけて管理しなければたいへんなことになる。

原発を推し進めた人の財産を差し押さえるべき

これをやってきた責任者たちは、上に書いたような有様で・・・

風評被害が悪いんじゃないんですよ。

原子力を推し進めてきたヤツが悪いんです。

日本が原子力を推し進めてきた期間のすべての議員や、官僚、公務員、科学者、東電幹部は全員切腹せにゃならんですよ。

福島の人をこんな目にあわせて。

何の責任もない人にこんなご苦労をかけてしまって。

新しい法律を作ればいい。

原発を推し進めてきた人全員の名簿を作って、彼らのマイナンバーを調べ、財産を差し押さえて、原発事故でご苦労なさっている人に分配しなくちゃいけない。

原子力でたくさん給料をもらってきたのだから。

原発事故に何の責任もない人がこんなにご苦労なさっているんだから、原発を推し進め、それで利益を得てきた人が、得た利益で自分が推し進めてきたことの責任をとるのは当然だ。

何の罪もない人が原発事故で失ったものを埋めることができるまで、それを進めて来た加害者が、無実の被害者よりいい生活をしたらいかんでしょ。

こういう「推し進めた人がきちんと責任を取る」ということをしないから日本は同じようなことを何度でも繰り返すわけです。

もう本当の責任者にきちんと責任を取らせる政治家をたくさん当選させて、まともな法律を制定させるしかない。

広島出身者として、福島復興を考える

私は広島の旧市街の出身です。

実家はそこにあり今も母が住んでる。

広島ではもちろん被爆の被害があった。

特に爆弾投下直後に救援などで広島に入った人も被爆した。

黒い雨に打たれたりしたのがよくなかった。

差別のようなものもあったらしい。

それは誰もが自分の子供が健康であって欲しいように、孫も健康で五体満足であって欲しい。

誰でもそう思います。

それはしかたがない。

政府の発表によれば東電福島第一原発は広島の168倍の放射能をばらまいたわけです。(海は別。空気中のみ)

その広島でさえ、被爆者手帳を作り、原爆病院を作って、被爆した人は無料で医療を受けられるようにしなければならなかった。

今回の事故では広島の168倍の規模で対策し、保障しなければならない。

それを「何もなかったフリ」をしている。

バカじゃないのか。

広島は当初、もう何十年も木も生えないと言われていたが、比較的早く生えてきた。

もちろん今では、広島では放射能は検出されない。

被爆者手帳を持っているが、高齢になるまで特に病気もせずに元気な人もたくさん知っている。

だから、福島でも放射能の発生が止まれば大自然の回復力がきっと働く。

今では、広島ではみんなお好み焼きを食べて、カープが勝った負けたとわーわー言っている(笑)

やっぱりそれが復興ってもんです。

いつか福島もきっとそうなります。

それに向けて大人が科学的に考えて、きちんと対策しなければ。

それをしないことが一番の悲劇です。

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