ご質問をいただきました。
ちょっとお伺いしたいのですが
このコロナ騒動で(政府が補助金など)またまたお金をつぎ込み過ぎて
一体どうなってしまうんだろう・・と思う日々
どこまで行くやらまだ底が見えず
もう少しすると方向性が見えてくる?????
それはハイパーインフレの可能性もかなり大きくなってくるのかな~
もちろん今回の動きは世界的なので世界的にその方向に動くのかな?
で、なら例によって「金」かもしれない
金はキャッシュにするときに20%持っていかれるけれど(※榎本注:税制が異なります)
それでも上がり幅がそれを上回っていればそこはしょうがない?
結局ハイパーインフレになれば現金で持っている意味がないので
榎本さんならこの先まだ金を買うという選択になる???
それ以外の可能性として出てくるものがもしあれば教えてください^^
私の知人のYさんは経営者を引退して長年投資をほとんど趣味のようにやっ
ていて(でもそのレベルはプロ並みの知識なのですが) 実に世の中の経済の流れを的確に捉えていて
以前から榎本さんの考えを伝えたりブログを転送したりすると
非常に共感して「僕の見方とほぼ同じだね~」と言ってました
トランプの動きとかそのあたりも実に捉え方は的確な人なので
まあ電話で話してると面白くて仕方ないんですけどね^^
さて、そんなYさんがこのところの流れに関して一体榎本さんはどう見ているんだろう~~
と さっき電話で話していたところだったのです
ぜひ聞いてみてほしい!と言われたのでメールしたというわけでし
た 以前にも同じような質問のメールを榎本さんに出したことがあって
その時のちょいと専門的な榎本からのお返事をそのまま転送した
ら Yさんは「やっぱり同じだ~!」と感激してたんだけど(笑)
海外に資産を持っているYさんとしてはこの混沌とした中で
ここをどう動くか考えているみたいです^^
でね、金ももちろんいいのはわかってるし前はやってたけど
ある時すべて現金にしようとしてがっぽり税金を持っていかれたか
ら もう金はやらないと
もちろん株には手を出さないしずっと海外の金利の動きを見ている
けれど 3%以上で動こうとしてじっと数年見ていたらこのところ1%にも
満たないので絶対にこういう時は動いてはいけないと(笑) で様子を見ている模様・・
もうこうなったら銀(笑)のしかも古銭に変えておけばいざという時にも目をつけられないかな~♪なんてさっき電話で笑
ってました そんなわけで、榎本先生^^はここをどう見ているのか知りたいそ
うです(笑) ご意見聞かせてあげてくださいな。
金は10年で2倍以上になりました
私がブログで金買いを推奨したのは2009年のことです。
1g2000~3000台の時でした。
今日は1gが6,881円(2020年7月14日)ですから、当時買った人は、現在資産を2倍以上にしています。
下は金と米ドル、日本円の長期パフォーマンスです。
「(債券が)3%以上で動こうとして」いるということですが、一番下欄見てもらえばわかるように金は長期的に年率で10%上げてげているので、債券より金の方がずっとよくないですかね?(笑)
今後も金は上がるか?
金は上がると思いますよ。
なぜ私は金は上がると見るのか。
各国政府は紙幣を印刷し続ける(金融緩和とも言う)しかないので、紙幣ほど簡単に採掘できない金が相対的に上昇すると見ているからです。(本当は紙幣価値の下落)
ではなぜ政府は紙幣を印刷し続けるのか。
簡単に言うと、日本は年間50兆円の税金を集め、40兆円を医療費に支出し、毎年50兆円借金を増やしながら生活しているからです。お金を刷り(金融緩和し)続けるしかないのです。
月収50万円の人が、医療費に40万円使い、毎月50万円借金を増やしながら生活していたら家計は破綻していますよね。誰でもわかります。
国は家計と違って紙幣を刷る(金融緩和する)ことができます。
金の採掘はそんなに簡単に増やせません。
ですから金の増える速度より、紙幣の増える速度の方が常時速いのです。
コロナによって、税収は落ち込み、補助金などで支出は増大します。
この流れは加速します。
ここまでのところ実際そうなっていますね。
金は古代エジプトの昔から通貨
金は古代エジプトの昔から数千年以上通貨であり、紙幣は近代になって「金の交換券」としてようやく誕生しました。
いつでも金に交換できる「兌換券」であることが紙幣の価値だったのです。1971年までは。
米ドルも長い間兌換券でしたが、1971年ニクソンショックによって突然金との交換が停止されました。もちろんフォートノックス(FRBの金貯蔵庫)にある金以上に米ドルを刷ってしまったからです。
それ以後、アメリカは世界に石油取引や為替取引は米ドルで行う必要があるというルールを広め(押し付け)、世界各国は貿易に参加するために「外貨準備」として米ドルを保有する必要性(需要)が生じたのです。
その「米ドルへの需要」が米ドルの価値を保ってきたわけです。
それを米国は覇権(米軍)によって維持してきました。
金本位制のアフリカ単一通貨を提唱したリビアのカダフィは空爆されて暗殺されてしまいましたね^^;
他にもアフガニスタン、イラン、イラク、リビア、シリアなど民間の中央銀行を持たないところが戦乱に見舞われています。
もちろん日銀もFRBも「民間銀行」です。株式会社ですね。
トランプは米国の覇権を手放している
ところがトランプは世界中から米軍を引き上げようとしています。
米国は長期に渡って双子の赤字国(財政・貿易)ですから、必ず米国債を外国に買ってもらってその赤字を埋める必要がありますが、トランプは中国と貿易戦争をはじめてしまいました。
世界最大の米国債保有国である中国は、貿易でアメリカから利益が得られなければ、米国債を買い続けることはできません。むしろ売却し始めるでしょう。
そうなると米ドルの価値は下落していきます。(金の価値は相対的に上昇していきます)
ニクソンショックで兌換券ではなくなったドルは、オイルダラー体制で今日まで世界の基軸通貨としての地位を維持してきましたが、まさにトランプはこの米ドルの世界覇権を自ら手放しているように見えるのです。
オイルダラー体制のあと、何か米国が世界覇権国として別の米ドルに対する裏づけ(需要)を生み出しつつあるようには見えません。
むしろ、米軍は引き上げ、世界各国が石油貿易を米ドル以外の通貨で行うことを容認しています。(空爆しなくなった^^;)
米ドルの需要はどんどん縮小していくことでしょう。
金融緩和によって、紙幣の価値は恒常的に下落し続け、米ドルの覇権の終了に向けて米ドルの需要は減少し続けていくとみています。
金融経済には経済成長が必須
金融というのはお金を融資することです。
100万円貸してあげるから仮に利息3%とすると1年後には103万円にして返してね、ということです。
つまり経済が成長していなければ103万円返せないのです。
コロナで世界各国はすでにマイナス成長に陥っています。
しかし利息はコロナも何も関係なく時間に従って発生します。
店を閉じたり、お客さんが激減したり、売り上げが大幅に落ちているのに103万円返せませんよね。
こういう経済成長を前提とした今までの経済体制のあり方は世界的に行き詰っていくと見ています。
銀行には回収できない不良債権が増えることでしょう。
地価の下落
コロナの影響は地価にも及んでいます。
日経新聞に「必要なオフィス面積3分の1 始まった解約ラッシュ さよならオフィス」(2020/7/15)という記事が掲載されました。
コロナでリモートワークが一気に広がりましたね。
「大手町まで40分」の家選びは終わる! ポスト・コロナは“郊外戸建て”が勝ち組に
などという記事なども見られます。
マンションでは家の出入りもエレベーターが必須であり「密閉・密集・密接」の3密が避けられませんからね。
銀行はお金を貸すときに、土地を担保にとっています。しかし、今後は地価の下落で融資先が破綻してもお金が回収できなくなるかもしれません。土地本位制と呼ばれた金融体制も大きな転換点を迎える可能性があります。
特に地方の金融機関はまだコロナの影響のない去年末までの段階でも、多くが赤字に苦しんでいました。
それに加えて誰もが予想していなかったコロナのとてつもなく大きな影響が今年突然に発生しました。
これらの影響が会計上に表面化するのはまだまだこれからです。
これらはいずれももっと金融緩和して(お金を刷って)、銀行にばらまいて乗り切るしかないでしょう。
コロナの影響で紙幣の金に対する相対的な下落の速度は加速するでしょう。
ハイパーインフレの可能性
「結局ハイパーインフレになれば現金で持っている意味がない」とご質問に書かれています。
日本も数十年前に経験した預金封鎖のようになれば現金の価値は意味がなくなります。戦後まもなく都市の人は嫁入りの着物など(モノ)を持って農家の米と交換してもったというような話しがたくさん伝わっていますね。
ハイパーインフレになるのは自国通貨が暴落した国です。
日本円もまた印刷することで今後も希釈していきますが、他国の通貨に比べては高くなるとみています。
今まで借金があった人は、コロナで収入が減ったら返せなく人も出るでしょう。
貯金がある人は、貯金を下ろして生活します。
日本は債権国です。
日本も貯金を下ろして生活するでしょう。
アメリカは債務国です。
債権国日本は経済混乱時に円高になる
経済が混乱すると、人が貯金を下ろして生活し、銀行が貸付金の回収に乗り出すように、日本は債権国ですから国全体としても外国に貸している債権を回収する動きがでます。
債権はドル建てが多いのです。
日本の債権者が外国からドル建ての貸し付けを返してもらうと、その債権者は返してもらった「米ドルを売却して、円を買い」国内に戻します。日本での支払いにあてるためです。
つまり、市場では「米ドル売り、円買い」の動きが出るのです。
ですから、世界経済が混乱しているときは、円高の動きになります。
「海外に資産を持っているYさんとしてはこの混沌とした中でここをどう動くか考えているみたいです」ということですが、
海外資産は主にドルベースでしょう。ドル以外の通貨はもっと弱いです。
米国以外の第三国の債務者もドルベースで起債します。日本などの債権者が債権を回収に動くと、第三国の債務者は返済のドルを手に入れるために、「ドル買い自国通貨売り」をします。ですから「ドル高自国通貨安」の動きが見れらます。この動きはここのところかなり見られていますね。
米国は債務国、日本は債権国ですから、上記の動きで円高ドル安の大きな流れが起こり得ます。
ですから海外資産は長期的に目減りする可能性があります。
ここはドルベースよりも円転して円(債権国通貨)でもっておいた方がいいと思いますね。スイスフランでもいいと思います。
もちろん、円から見ても金は年率10%上昇しているのですから、長期的には金の方がいいと思います。円は刷れますからね^^;
金は総合課税
金は他の金融資産のように税金はキャピタルゲインの20%ではありません。
総合課税です。
「ある時すべて現金にしようとしてがっぽり税金を持っていかれたか
金は、これまで見てきたように長期的には紙幣に比べて相対的に価値が上がり続けます。(紙幣の輪転機の速度の方がずっと速い)
ですから、何かお金を使いたいことがあったら、金のインゴットひとつ処分するくらいでちょうどいいのです。
なお、最近は金を分割する業者さんも増えていますので、100g以下にすると売却時にマイナンバーが不要になり、税務署に連絡がいかないそうです(笑)
短期的にはわからないが長期的には金はまだ上昇する
短期的な変動はわかりませんが、このように長期的には金は通貨に対して相対的に上昇すると見ています。(実際は紙幣価値が希釈し続ける。)
しかし、これが金のいいところです。
他の株や債券や外国為替取引(FX)などはずっと値動きをみて機敏に動かないといけません。ヘタをすると損をします。疲れます^^;
しかし金に関しては、世界各国が税収よりも多くの支出を続けるのはほぼ確実なので、長期的には必ず紙幣は金に対して下落すると、「ほぼ間違いなく」言えます。
ですから、いちいち日々の値動きを見なくても安心して保有していられます。
世界を見渡して、もし極めて優秀な政府が成立し、税収以内の支出で極めて効率的な日本の家庭の主婦のような優れたお金を使い方をするようになったら要注意です(笑)
その時は紙幣を印刷する必要がないので、紙幣は下落しなくなる可能性があります。
しかし、日本政府を見ても、アメリカを見ても世界のどの国の政府を見ても、今のところその可能性はありません(涙)
ですから、長期的には紙幣は金に対して下落し続けるでしょう。
そのお金を何に使うのか?
「この先まだ金を買うという選択になるか?」ということですが、
そのお金を何に使うのか?によります。
長期的には上がると見ていますが、短期的にはわかりません。
5年、10年単位で持っておけるのなら買ってもいいでしょう。
しかし、経営者を引退されて長年投資をされているということです。
仮に70歳とすると10年後は80歳です。
たとえばもしフェラーリを買うのが一生の夢として80歳、90歳で乗るフェラーリに意味があるのか?(免許返納を考える時期ですよね)まだ自分で運転できる70歳の今買える車を買って人生を楽しむべきではないのか?
死ぬ時点で多額の資産を残しても意味がないですからね。
クルーザーでも、豪邸でも、海外旅行でも(今はコロナで行けなくなりましたが)
80歳、90歳でそれを実現するよりも「今実現した方が自分の人生にとって意味があるのではないか?」というのは充分に検討すべきテーマです。
私は自転車で旅をしていてあるゲストハウスに泊まった時、そこのオーナーが「うちの常連さんに外国の不動産王なのに、いつも自転車でゲストハウスに泊まって旅している方がいますよ。」と教えてくれました。
そんなまったくお金に困ってない人でさえ、自転車でゲストハウスで旅を楽しむ人がいるのです!(コロナ前の話しですが^^;)
10年後の大金よりも、今折り畳み自転車を手に入れて旅に出る方が「自分の人生にとって価値あることかもしれない」のです。
お金には実際には価値はなく(ただの旧兌換券としての紙切れ)であり、その機能である「交換価値」を発揮させて、はじめて価値を持ちます。
最終的に「どのような価値と交換し」自分の人生において経験したいことを存分に経験し、「我が人生に悔いなし!」と笑顔で今生を去ることが一番大切なことだと思っています。