先日オウム事件関係者7名の死刑が執行されました。
事件当時、元自衛隊最高監部トップ10名のひとり運用(作戦)幕僚としてオウム事件に直接かかわった池田整治さんが、事件の背景について語っています。
(4分15秒付近から)
1994年6月27日松本サリン事件が起こった。
1994年7月9日には山梨県上九一色村の異臭事件が起こった。
その松本サリン事件の成分と、上九一色村の土壌の成分を(自衛隊)化学部隊に調べさせたら両方が見事に一致した。
人工的に作られるものはDNAと一緒で、それぞれ違う。サリンでも国によって違うからわかるんですね。それが一致したということは、
松本サリン事件はオウムがやったよということを我々(自衛隊)は警察に資料として提供した。
(それを元に)すぐに強制捜査に入っていたら地下鉄サリン事件は起こらなかったかもしれない。
強制捜査に(警察上部から)待ったがかかった
でもなぜか、(警察上部から)待ったがかかって捜査に入れなかった。
こういうすべての流れのなかで(警察が)ちょっとおかしいということになった。
池田整治さんの公式ページ「地下鉄サリン事件20回忌」から
1995年1月17日には阪神淡路大震災が生起し、運用責任者として神戸の災害現場と陸上幕僚監部の作戦室勤務を交互に行う等で、深夜遅くなり自転車で帰宅する機会が増えていたのです。これが明暗を分けて幸いしました。
1995年3月20日地下鉄サリン事件
地上の自転車と併走する青梅街道地下の丸ノ内線がやられました。
3経路計5編成車両が化学兵器による無差別テロを受けた地下鉄サリン事件です。
その死者13名、負傷者約6300名。
その中には、私と一緒に二日後に、つまり奇しくも私の40歳の誕生日の3月22日に、上九一色村のオウム真理教サティアンへの警察の強制捜査を一緒に同行支援するはずであった防衛大同期の情報幹部田上2佐も含まれていました。
彼が入院し、結果として自衛官で私一人が第7サティアンに入ることになったのです。
報道では強制捜査の攪乱と言われていますが、実際は捜査員を狙った個人テロでした。
警察の情報が「彼ら」には筒抜けだったということです。
地下鉄サリン事件は、警察(日本)の上層部が腐っていたから起こった
要するに、松本サリン事件はオウムの犯行であることを、動かぬ物証として自衛隊が警察に提供したわけです。
ところが、警察はなかなか強制捜査に踏み込みません。
親しい刑事に聞けば、「上から、オウムには手を出すな!」と指示がきている…!
十数年後、退職した彼から手紙が届きました。
「地下鉄サリン事件は、警察(日本)の上層部が腐っていたから起こった。
でも、警察の上層部だったので13人の被害ですんだ。
もし、自衛隊の上層部が腐れば日本が滅びる。自衛隊だけは腐らないでほしい。」
その警察もやっと(世論などを受けて)強制捜査に乗り出すことになり、いわゆる「作戦会議」が行われ、自衛官としてただ一人私も参加しました。
…サティアンの中には、ドラム缶700本の薬剤、旧ソ連軍のヘリコプター、その他武器、弾薬がある。
もし、彼らが強制捜査に抵抗し、彼ら本来の目的である「日本壊滅」を図ったら?
何よりも、ドラム缶をヘリに積んで、新宿、渋谷等の繁華街に撒けば、1本で100万人が死ぬことになります。
自衛隊の作戦会議なら、万一に備えて徹底して「敵の可能行動」と「最善の我が行動」が分析され、かつ全員に徹底されます。
万一作戦途中で指揮官や幹部が戦死(殉職)しても、残った隊員で最期まで「任務完遂」できるようにするために。
ところが警察の作戦会議では一切そのような分析が行われなかったのです。
なんらオウムに関する情報さえ出ません。
会議終了後、警察の総指揮官に、どのような事態を考えているのか聞きました。
「最悪の場合、最初に封鎖に向かう機動隊員50人~150人が死ぬかも知れない。
でも、我々はその上で泥縄的に対処するから」
「では、ヘリが飛び立ったら?」
「その時に考える」
・・・
自衛隊の任務遂行には「戦死」も想定内
災害派遣においても、消防・警察と自衛隊の行動とは、明確に「心(活動)の準拠」が違います。
消防・警察は救助活動で自ら犠牲者を出すことは許されません。
人命は地球より重いと言われます。
ところが自衛隊は命よりも重いものを背負って行動します。
「任務」そして「国家」です。
任務遂行には「戦死」も想定内です。
仮に尖閣列島防衛に出動して戦死者多数を出しても、戦闘終了後、最期の一人の自衛官が日の丸を振っていれば、任務は達成されたことになるのです。
それ故、状況が厳しく消防でできないときは、後ろを見て警察に依頼します。
その警察が危険でできないときは後ろを見て自衛隊に依頼します。
自衛隊は後ろを見ても誰もいません。
自衛隊が「できない」時は、日本の「終わり」を意味します。
そういう「使命観」で自衛官は行動するのです。
当事、陸上幕僚監部の作戦(運用)幕僚は、班長以下10名。
その10名で日本の防衛を考えていました。
『ヘリが飛び立った時、どうするか・・』
…上九一色村から都内までヘリなら30分もかからないだろう。
飛び立ったときに仮に警察から対処を依頼されても、物理的に間に合わない。
何よりも日本の首相がタイムリーに自衛隊に「出動命令」を出すことは望めない。
因みに当事の首相は社会党の村山首相でした。
阪神淡路大震災発災後4日経っても、何ら指示も出さず、通常通りのミーティング等をこなしていて、さすがに記者から指摘された逸話があるほどです。
より根本的な問題として、「国軍」でない自衛隊は、法律上普段から領土を保全する権限を持っていません。
すべてが警察の掌中です。
自衛隊は、知事の要請か、首相の命令がないと駐屯地から動けません。
…いずれにせよ、ヘリで薬剤を撒かれることは絶対的に阻止しなければならない。
100万人の国民の命にかかわる。
そこで「ハラ」を決めました。
「飛び立ったら、直ちに陸上自衛隊の攻撃ヘリAH-1で撃墜する!」
その為の攻撃ヘリをあらかじめ近傍の駐屯地に準備する。
民間ヘリを落としたと言うことで国民から非難があがるときは、この決定をした課長以下運用3人がハラを切って国民に詫びよう…。
誰がオウム捜査を中断させようとしたのか
あれから20年。
誰がオウム捜査を中断させようとしたのか。
オウムの背景になにがあるのか、一切表に出ることはありません。
裁判のみならず、メディアもすべて麻原彰晃以下の事件として幕が下ろされてしまいました。
「彼ら」の情報支配下にある植民地国家・日本ならではです。
フランス等の公安関係が、日本を「カルトが支配する国」と評価する所以です。
(上の動画の6分40秒から)
オウムは単なる実行犯ですね。
オウムを作った大きな組織が日本にもあります。
その後ろはさらにどこが牛耳っているかというと実はCIA(アメリカ中央情報局)が牛耳っている。
日本と北朝鮮をうまく使って、端的にいうとお金を搾り取る体制、日本民族をつぶそうという、それもすべて含まれますね。
「本には書くのは難しいけど、日本のアメリカ軍基地から北朝鮮に航空機が飛んでいる、輸送している事が分かった。皆さんどういう事か分かりますか?」
これを日本の自衛隊のトップ10名の最高監部である運用(作戦)幕僚を務めた池田整治さんが言っているところに大きな意味がありますね。