モンゴルの遊牧民には、住宅ローンも、車のローンもない、食べる心配もなく、電気水道も自給である。私たちと馬旅を共にしたモンゴルの遊牧民は朝から晩まで笑っていた(笑)
この度モンゴル馬旅をしてきたわけだけど、その時に私たち2人に対して4人の現地の人がついてくれた。
馬の師匠と、日本語通訳、コックさんと車の運転手4人である。
運転手さんは自分の4WD車で、テントや鍋釜、食材などを運んでくれる、それで調理するコックさんは奥さんだ。
テントはいつも2つ張ってくれる。
ひとつを私たちに使わせてくれて、もうひとつを彼ら4人で使った。
通訳さんは食事中など私たちの相手をしてくれることが多かったが、あとの3人はモンゴル語で何やら話している。
話している内容はわからないのだが、それが毎日朝から晩まで笑い転げているのだ!^^
私はこんなに楽しげに過ごしている大人たちを初めてみた。
彼らは世界で一番楽しそうに生きている(笑)
通訳さんに、一体彼らは何がおかしくてあんなに笑っているのか?と聞いてみたが、馬や自然や、食べ物や生活や、ありとあらゆることをネタにしているということで、具体的には何がおかしいのか、よくわからなかった(笑)
私は爆笑王だった
私も小学校高学年くらいの時、学年一の爆笑王だった。
母が参観日に見知らぬ人に何人も話しかけられたそうだ。
「榎本くんって楽しんですね~ 娘が毎日学校から帰ると今日榎本くんが何をしたか教えてくれて、私もいつも大笑いしているんですよ!」みたいなことを話したそうだ。
「ただいまぁ~ ねぇねぇお母さん聞いて!今日榎本くんがね・・・」
「お帰り~ 今日は榎本くんは何やったの?」みたいな会話が毎日各家庭で繰り返されていたのである。
ほほえましい限りであった!^^
私は生徒はおろか、その親にまで日々のジョークが周知さているくらいの爆笑王だったのだ。
そのへんのテレビの芸人より、よっぽど私の方が笑わせるのがうまかった、まぁツボを心得ているってやつですな。
あるネタを使って、ひとつのグループを爆笑させると、遠くのグループが「榎本くんはまた何をやったんだろう?」みたいな顔しているので、近寄ってまた同じネタをやるくらいサービス精神が旺盛だった。
まぁ何しろ、家に帰ってお母さんに「今日の榎本くん」を報告せにゃならんからな。ちゃんと笑かしとかんといかん、と私も妙な義務感にかられていた(笑)
さすがのモンゴル人も、毎日笑いさざめくあの時代の私たちほどではなかったが、「大人なのに」あんなに朝から晩まで楽しげに笑う人たちは初めて見た。
遊牧民の暮らしは極めてシンプル
遊牧民の暮らしは極めてシンプルだ。
目に入るものといえば、どこまでも続く草原と青い空、馬と家畜、自分のゲルくらいのものである。
季節によって草原を移動するので、持ち物もシンプルで彼らは根っからのミニマリストだ。
そんな彼らの生活を支えるものと言えば、草原と家畜である。
つまり毎年草が生えれば、生活の心配はない。
草原は平和である。
モンゴルの人口は300万人で、放牧で暮らす人は徐々に減っているそうだから、草原が過放牧で荒れることもない。
草は来年も生える。
だた、それだけで彼らの人生は安泰なのである。
遊牧民には住宅ローンがない
遊牧民には住宅ローンがない。モンゴルが一時期社会主義だった影響もあって、土地の所有権は国にある。
遊牧民は草原のどこにでも自由にゲルを建てられるそうだ。
つまり土地を購入する必要はない。
また彼らの家はゲルである。自分たちで30分もあれば建ててしまう。
だから彼らには住む土地と建物を確保するために、奮闘することがない。
これは大きい。
彼らには、家賃や住宅ローンの負担がないのである!
遊牧民には自動車ローンがない
日本人がお金を必要とする最も大きな部分は、住宅関連と車である。最近ではモンゴルの遊牧民も車を持っている。
しかし馬もまだまだ活躍している。
今回馬旅をしてみて、馬というのはすごくお金のかからないものだなと思った。
1日走り終わってキャンプ地に着くと、馬を草原に放す。
これで給油完了である!
車検もない。オイル交換もない。壊れれば(怪我をすれば)自然治癒する。排気ガスも出さない。(まあオナラはするが(笑))
なお、日本ではペットがウンコをすると飼い主が片づけないといけないが、モンゴルではしっぱなしである!馬のウンコを片付けようとするなら、背中にリュックでも背負っておかなくちゃいけない。どっこん、どっこんウンコをするし、走りながらでも彼らはウンコをする。家畜のウンコは草原の生態系の一部なのである。
しかも馬を購入する必要はなく、春になると自動的に生まれてくる!
馬だけならお金はほぼいらない。
最近は遊牧民を車を持っているので、それらの車が彼らが生涯で買う最も高価なもののようだ。
しかし別に車はなくてもいい。
草原では馬だけでも十分だ。
住宅関係、車、や交通費関も不要となると、普通の日本人が負担するかなりの出費が彼らにはない。
食べる心配もない
そして食べること。
食べることは、草原に毎年草が生え、家畜が健やかであれば何の心配もない。
彼らは家畜を放牧し、乳を搾り、肉を得る方法を熟知している。
それだけの心得があれば食べることに生涯困らない。
人間関係の悩みもあまりない
彼らは通常家族単でゲルに住んでいる。
お隣さんは、遥かかなたである(笑)
遊牧地も伝統的な了解事項があって、トラブルになることもあまりない。
どちらかというと人恋しいくらいで、彼らは誰かが訪ねてきたら、ツーテーツァイ(モンゴル塩紅茶)でもてなす伝統を持っている。だから毎朝たくさん作る。
「まぁゆっくりしてって」という感じだ。
いろいろ人が来てこの量がでは足らない日もあるという。
まぁこれが彼らのスタバですな(笑)
そして私たちが直接見たモンゴル遊牧民は朝から晩まで笑っていた(笑)
まぁ通訳さんによれば「人による」そうだが、とにかく彼らはよく笑った(笑)
災害にも強い
日本人の生活は、災害で電気・水道が止まればたちまち困るし、サウジアラビアが爆撃されて、石油が高騰するとガソリンや灯油が値上がりし、これまた生活に困る。
台風で屋根が吹き飛ばされたら住むところに困る。
地震が来て、スーパーやコンビニの食料棚が空になることもある。
近年これらのことは毎年日本のどこかで起きている。
モンゴルの遊牧民は、電気・水道が止まっても関係ないし、ガソリンが高騰しても、馬は草を食べる。
風で屋根が吹き飛ぶことがあったら30分ほどで自分たちでゲルを建てなおせる。
スーパーやコンビニの食料がなくなっても、ゲルの前の家畜からいくらでも食べ物を作りだせる。
日本人が経済的負担に苦しみ、心配するようなことがモンゴルの遊牧民には「ほぼない」のである。
彼らの所得は日本人よりもはるかに低いが、彼らの生活はそもそもそんなにお金を必要としない。
幸せというのはお金じゃないなぁ~
モンゴルの遊牧民を見て、幸せというのはお金じゃないなぁ~と思った。
生活の心配もなく、朝から晩まで笑って暮らしている遊牧民よりも、不安不満の面持ちで、住宅や車などの支払いにあくせくし、おもしろくなさそうな顔して、疲れている日本人の生活っていったい何なのかなとふと思う。
それでも日本人の方がはるかに「金持ち」なのだ!
モンゴルの首都ウランバートルには、庭などの土地にゲルを建てて住んでいる人もたくさんいる。
これからの日本は人口も減っていくのだし、田舎の土地を無償で提供して、ゲルみたいな簡素で快適な住宅を無償で提供し、都会のミニマリストな人々に移住してもらったらいいんじゃないかな。(笑)
家賃や住宅ローンに無縁の田舎暮らしと、家賃や住宅ローンに追われる都会の暮らしを比べたら、田舎をとる人も多いのではないか(笑)
私なら田舎をとるなか。
というか、もう秘密基地に住んでるし(笑)
そろそろ柿が大きくなってきた!^^
ただ、伝統的な遊牧生活をする人は徐々に減っていて、ウランバートルなどに移住する人も多いそうだ。「なぜ?」と聞いてみると、やはりテレビでみる都会の生活に憧れもあるし、遊牧の暮らしは家畜の世話などで「結構忙しい」そうだ。
まぁこれなども日本も伝統的田舎の農家が「結構忙しい」のと同じか。
伝統的な農家に嫁入りする勇気ある女性は少ないから田舎の農家は慢性的な嫁不足だ。
「忙しく」なるから、あまり規模を求めずに、自分たちが食べられるくらいの規模にして、現金収入は私たち外国人を馬旅にでも連れてって笑いながらキャンプして稼ぎ、楽く豊かな草原の暮らし方を続けてもらいたいと思うのであった。