巡礼宿(アルベルゲ)の朝は早い。
私は相部屋の一番端のベッドだったので、まだ薄暗いので反対側を向いてタブレットなどをいじっていた。7時頃「ああだいぶ明るくなってきたなぁ」と思って反対を向くともう部屋には誰も残っていなかった!
みな暗いうちに静かに出発していたのだ。
10度しかない。
上着が欲しいくらいだ。
ということでスペイン巡礼は夏がベストシーズンだ。
この8月10日という一番暑い時期に10度なら春秋はいったいどうなるんじゃ!
冬は論外。そこまで自分をいじめなくてもいいでしょう。
雨も降らないのにどこに水があるのかなと思ったら、ここにあった。
クリークは橋の上からしか見えない。
乾燥を防ぐためだろう。
すぐ横を歩いていても川は見えない。
これが川沿いのルートだが水音が聞こえるだけで、川は見えないのだ。
草はふんだんにあるので牧畜も行っている。
ああ、こうして干し草がたくさん積んであると安心する。
もし、昨日みたいに道に迷ったら、夜この干し草の中に入って寝ればいいなと考え、にこにこしてしまう。妙な安心感がある。(というより迷わないようにちゃんと歩きなさい!>自分)
ああでも一度やってみたいなぁ。
ロマンでしょうやっぱり。(何が!)
サラダのベーシックというのを2.5ユーロで頼んだ。
どこがベーシックかというくらい山盛りのサラダだ。
スペインに来てたっぷりの「カフェコンレチェ」(カフェオレ)をよく飲む。ミルクもうまい。
川を越えて巡礼は続く。
丘を越えると今日の目的地アストルガが見えて来た。
巡礼路にある街、パンプローナから来た英語の話せる一人旅のスペイン人女性とこの辺りを10kmくらい一緒に歩いた。
この女性もアストルガに行くそうだ。
奇遇にも同じアルベルゲを目指していた。
そして、なんと今同じ部屋の隣のベッドで寝ている。
夜8時から一緒に食事に行くことにした。
丘を下ったところにこんな銅像があった。
ひょうたんは貝と並ぶ巡礼のシンボルだ。
しかし、この銅像は口から実際に水がしたたり落ちてる念の入りよう。
この気持ちはよくわかる。
水がうまい。
あ~、喉が鳴るぜ!
これが今日泊まるアストルガの巡礼宿の前の眺め。
受け付けの女性に「Where are you from?」と聞かれたので、
「ソイ デ ハポン」(日本から来ました)とスペイン語で答えるとその女性が「わははははぁ」と笑いだした。
「失礼しました。私も日本人です。」ときれいな日本語で答えた。
日本人だから当たり前だが、スペインの巡礼宿の受け付けに日本人がいるというセチュエーションをまったく想定していなかったので、へっ?と面食らってしまった。
どうもこの方は巡礼ついでに90日間のビザの最大限に利用してこちらでボランティアをされているそう。シスターさんなのだろうか。
日本人の巡礼は少ないそうで、10日ぶりに来たと話していた。
ちなみに今年多いのがイタリア人。ローマ法王が今年を特別に大聖年に指定し、今年このサンディアゴ巡礼を行った者は、過去にした悪いことも許され、えらい功徳があるらしいのだ。知らんかったぁ。
それを知ったイタリア人が大挙巡礼しているそう。(あんたら悪いことしすぎ!>イタリア人)動機がぁ♪不純だわぁ♪もぉっとスローをにぃ~さぁさぁやいてぇ~♪
まぁ何はともあれめでたいことではある。ちゃんとたどりつかねばっ!(お前もか!>自分)
そのあとは、当たり前だが実にスムーズに日本語で説明を受け質問することができた。ちゃんと巡礼を認定してもらうコツなども。
(特にサリアという町からはスタンプを2つ以上もらっておくことだそう。まぁ要するに今日みたいに途中のバルで食事してスタンプをもらっておくことなのだ。乗り物でズルする人がいるようなので、徒歩ならではのアピールが必要というわけだ。というかですよ!巡礼までずるしたらいかんでしょ!あんた!そんなもん功徳があるわけないじゃろが!自分の胸に手をあて、ちゃんとお母さんの目を見て答えなさいっ!)
スーパーマーケットの場所まで教えてくれ、
コインランドリーもあり、その使い方もわかり、コインもすぐに両替してくれた。
この辺りでは3時間くらいで洗濯物が乾くので乾燥機を使わなくても大丈夫ということまで!
で、今外で洗濯物がはためいている。
ああ~
今日は平和な一日であった。
巡礼かくあるべし!