ご質問をいただきました。
ロシアの勝利と世界経済の変化から、金が下がる。一度は売り!とメールが知人からありました。
金も先生のお蔭で利益はある。今後の動向を教えてくださいませ。どうぞよろしくお願いします。
この私のブログでは、かつて金買いを推奨したことがあります。当時は1g2千円台でしたが、2022年3月17日現在8千円を超えていますので、3倍以上はなっています。
(ちなみにこのブログではビットコインも80万円台で買い推奨)しており、現在5百万前後なので、6倍程度にはなっています。)
ロシアは金本位制に移行
さて、今後の金の動向ですが、私は上だと見ています。
西側諸国はロシアへの経済制裁でswiftから除外しました。米ドルの銀行間決済システムから除外したのです。
ロシアは直ちに金に対する消費税を廃止し、事実上の金本位制に移行しました。
米ドルはニクソンショックで突然金との交換を停止し、石油の取引に決済に使用するオイルダラー体制に移行しました。
以後米ドルは金ではなく石油などのswiftによる国際決済に裏付けられた通貨となっているのです。
ロシア制裁陣営より多い非制裁陣営
対ロシア制裁に加わっている国のリスト | 対ロシア制裁を「拒否」した国の一部 |
・アメリカ | ・中国 |
・欧州連合 | ・インド |
・スイス | ・ブラジル |
・イギリス | ・メキシコ |
・カナダ | ・サウジアラビア |
・チェコ共和国 | ・アラブ首長国連邦 |
・オーストラリア | ・ベネズエラ |
・ニュージーランド | ・トルコ |
・日本 | ・エジプト |
・韓国 | ・イラン |
・台湾 | ・ドイツ |
・ハンガリー | |
・セルビア | |
・アルゼンチン | |
・ボリビア | |
・エルサルバドル | |
・ウルグアイ |
アメリカ・日本を含むロシア制裁陣営は、資源消費国が多く、サウジアラビアを含む、ロシア非制裁陣営は資源国・農業国が多いです。
アメリカは指導力が低下しており、アメリカさんが経済制裁をするのは自由ですが、私たちはしませんよという国々の方がはるかに多いのです。
非制裁陣営は、中国のCIPSやバーター貿易(物々交換)などに急速に移行しつつあります。
非制裁陣営にはOPECの盟主サウジアラビアも入っています。
つまり今まで米ドルの裏付けであるオイルダラー体制(SWIFT)から世界中の多くの国が脱却しつつあるのです。
なぜその通貨を欲しがる人がいるのかというと、それはその通貨で買い物をしたいからです。
アメリカはSWIFTを通じて世界中の貿易(買い物)には米ドルとが必要という体制を作り上げてきました。
その体制から多くの国が抜け出しつつあるのです。
そうなれば「別に買い物に米ドルは必要ない」となり、米ドルへの需要が減少します。そうすると需要と供給の関係が崩れて、米ドルの価値が減少します。
コロナ以降の米ドルの大増刷
米ドルはいくらでも印刷できますが、金の年間採掘量には限りがあります。
金の価格は現在1g=8000円の史上最高値に到達していますが、それでも米ドルの供給量からみて、金価格はまったく追いついていません。
米ドルの極端な供給過多と需要の減少
現在米ドルは極端な供給過多と、オイルダラー(SWIFT)体制の崩壊という需要の減少に見舞われています。
この二つの米ドルの価値減少(相対的金価値の上昇)要因を市場が織り込んでいくのはまだまだこれからだとみています。