2012年3月28日(水)の天光地浄化会では、夜南先生が何本かワインを抜いてくれました。
一本は「ドメーヌ・コワイヨ・マルサネ・ロンジュロワ 2009」。
これは以前天光地でロマネ・コンティを開けた時に、その比較として私が持っていったワインです。
これは評価の上ではロマネ・コンティラやターシュを上回りブルゴーニュの頂点に立ったワインです。実際のところどうなのか?
実際にロマネ・コンティやラターシュと飲み比べたところ、両方をグラスに開けて出されてブラインドテストされたら、まずほとんどの人にどちらが本物のロマネ・コンティかわからないだろうと思いました。
マルサネはそのくらい素晴らしいワインです。
ですから、今回マルサネが売っていることに気づき合計二十数本を買って天光地に持っていきました。一つのワインを一度に買った本数では私の最高記録です。(笑)
ロマネ・コンティと飲み比べた経験からその価値を確信していたので、自信があったのです。
これからも時々、天光地でふるまわれると思いますから、ぜひ楽しんでください♪
本物のロマネ・コンティやラターシュも天光地のワインセラーにありますが、ロマネ・コンティは車が買えるほどの値段ですので、おいそれと開けるわけにはいきません。あれは見るロマネ・コンティです。
マルサネは、私は「飲むロマネ・コンティ」と呼んでいます。(笑)
ぜひ、天光地で「飲むロマネ・コンティ」を味わってください。
さて3月28日の浄化会では南先生はマルサネをデキャンターに注いでくれました。
あのエルメスのデキャンターは本当に素晴らしい作りをしていて、ワインがのびのびと空気に触れます。
ロマネ・コンティやマルサネのようなボディがしっかりしているワインはデキャンティングは必須です。
ワインは生きているのです。
私たちが通常飲む、飲み物はお茶にしろ、コーヒーにしろ、紅茶にしろ、コンビニや自動販売機で売っている飲み物にしろ、その場ですぐに飲むのが一番おいしくなっています。
だから私たちは、飲みものというのは、早めに飲んだほうがいいと思っています。
しかし、ワインは違うのです。
開けた直後はまだ飲み頃ではないんです。
もちろんすべてのワインがそうではありません。
今回も出ましたが、小川先生が持ってきてくれるブルーボトルの白、あのドイツのラインヘッセン(何ていいましたっけ?>小川先生)
あれは、開けたらすぐ飲める美味しいワインです。あのスキッとして、味わい深い、口当たりのよいクリアなワインが大好きです。
あのオーストラリアの赤は、ブルゴーニュ系の香りをもちながら、口当たりもよく、タンニン系の深みもあり、開けたらすぐ飲める素晴らしいワインです。
やっぱりお酒を開けて、グラスに注ぎ、かんぱ~いとやって飲むのが日本人のリズムです。ああ日本酒ももちろんすぐに飲む方がおいしいですね。
(しかしある種の焼酎はデキャンティングした方がおいしいんですよ!以前鹿児島の天文館で入った湯豆腐やさんでは、焼酎を何時間も前に水に合わせてデキャンティングしたものを出していました。それはもう角がとれてまろやかになってうまいんです。さすが鹿児島!うまい飲み方を知ってると腰を抜かしました。)
語弊を恐れずに言うならば、ロマネ・コンティやマルサネのようなフルボディのワインはボトルの中では、120%、130%なんですね。
ボトルの中ではちきれんばかりの味と香りを内に秘めて、まだつぼみなんです。
ボトルを開けた段階でも、まだつぼみなんです。
デキャンターに注がれたワインは目を覚さまし、その幾重にもまとった秘密のヴェールを解きはじめるのです。
そしてすっかり花開いた時。
はじめてこのつぼみは本当に美しい大輪だったことに気づくのです。
ワインは生きていて、ゆっくり花開くのを待たなければならないのです。
しかし、それだけの価値はあります。
コーヒーや紅茶もおいしいですが、あの広がり、あの奥行きをもつ飲みものはワインをおいて他にないでしょう。
おいしいコーヒーや紅茶って何でしょう。
私も一時は50g何千円もするような、紅茶を探し回ったりしていましたが、結局大地を大切にし、多様性とバランスと整えているところが、一番おいしいことに気づきました。コーヒーも同じです。いろんな植物を植えてその中にコーヒーの木もある多様性とバランスのある畑で作られるコーヒーが一番味わい深いのです。
それは体にもいいのです。人は体にいいものをおいしく感じるのです。
ワインも同じです。
フランスでは古くからVIN BIO(ヴァン ビオ)自然なワインへの取り組みがなされてきました。
彼らは美味しいワインのためには、大地のコンディションが大切であることにずっと古くから気づいていました。
そして、大地を大切にし、大地のエキスを素晴らしく凝縮させたワインに、最高の賛辞を送ってきたのです。
ワインを味わうことは大地(自然)を味わうことにつながっています。
そして大地(自然)を愛するには、人間の方から自然に歩み寄らなければならないことがあるのです。
デキャンティングもそんな人間の方の歩み寄りのひとつです。
どうかあまりせっかちにならず、ワインの自然な開花をゆっくり待ってください。
いつも読ませていただきありがとうございます。
素晴らしいワインのお話ですね。
文章の表現も素敵です。
<ボトルの中ではちきれんばかりの味と香りを内に秘めて、まだつぼみなんです。
<ボトルを開けた段階でも、まだつぼみなんです。
<デキャンターに注がれたワインは目を覚さまし、その幾重にもまとった秘密のヴェ ールを解きはじめるのです。
<そしてすっかり花開いた時。
<はじめてこのつぼみは本当に美しい大輪だったことに気づくのです。
<ワインは生きていて、ゆっくり花開くのを待たなければならないのです。
読んでいると何かワクワクして来ます。(文章にほろ酔い気分です)
その 飲むロマネ・コンテ『マルサネ』を頂く機会があれば
いいなー・・・・と思っております。