新しい元号が令和になりましたね。
美しき調和
「令和」は、日本の『万葉集』の「初春の令月にして 気淑く風和ぎ 梅は鏡前の粉を披き 蘭は珮後の香を薫らす」という一節から取られたという。
「人々が美しく心を寄せ合う中で、文化が生まれ育つという」意味が込められているそう。
発表前は「安」の文字が入るのではないかという下馬評も多く、ほっとした(笑)
令は令嬢の令でもあり、凛として美しいお嬢さんであり、日本で言うなら美智子妃殿下のような方だろう。
外国では当初<order and peace>(命令と平和)と訳されて伝えられたようだが、外務省は、「beautiful harmony」(美しき調和)を意味すると発表しており、
ここは「美しき調和」という素敵な意味の年号として受け取っておきたい。
これまで日本の年号は漢籍(中国の古典)を典拠にして定められる慣例だったようだが、今回初めて日本の古典である万葉集から取られた。
太宰府の長官だった「大伴旅人」が梅花の宴を開いたときに詠まれた歌の序文
「・・・初春令月 氣淑風和梅披鏡前之粉(時は初春の良き月、空気は美しく風も和やかで、梅は鏡前で装うように白く咲き)・・・」からとられたそうだ。
大伴旅人は私のご祖先筋
大伴旅人は私のご祖先筋だ。
榎本家は大伴狭手彦から始まる大伴一族なのである。
【榎本姓の由来メモ】日本最大の悲恋は榎本のご祖先狭手彦(さでひこ)と佐用姫(さよひめ)
ここは日本で初めての国書からの元号が、榎本家ご祖先筋に関わるものであったことを素直に喜びたい。
中国の後漢時代の官僚、張衡の「帰田賦」
ところが、中国の後漢時代の官僚、張衡の「帰田賦」の書き出しは「於是仲春令月 時和氣清・・・」となっているそう。
大伴旅人の文はそれをモチーフにしているようだ。
張衡は後漢の「安帝」とその子「順帝」に仕えたが、腐敗した政治に嫌気が差し、故郷に帰って田んぼを耕して暮らそうというのが「帰田賦」だ。
だから令和とは腐敗した「安帝」の政治から、「みなが美しく調和」した時代にしようという意味なのだ。
素晴らしい!
「令」は「孝明天皇のお気持ちに沿う」元号
令を使った年号が検討されたのは、幕末の『令徳』だけだった。
14代将軍・徳川家茂の代に年号を決めるにあたり、朝廷は「文久、令徳、明治、建正、萬保、永明、大政」の候補を江戸幕府に送った。朝廷は令徳・元治を候補として示した上で、特に令徳が孝明天皇のお気持ちに沿うと伝えた。
【孝明天皇】
幕府は「令徳」は「徳川に命じる」につながると難色を示し結局「文久」となった。
孝明天皇は江戸時代最後の天皇であり、当時尊攘派公家が長州勢力と結託して様々な工作を計ったことなどで、長州藩には最後まで嫌悪の念を示し続けたことが『孝明天皇記』に記録されている。
孝明天皇の次は明治天皇だ。
孝明天皇は心身壮健だったが、35歳で崩御された。
その後、追放されていた親長州派の公卿らが続々と復権していった状況などから、崩御直後からその死因に対する不審説が広がった。
長州藩は長州を嫌悪する孝明天皇では明治維新をやりにくかった。
明治天皇を京都の公家から引き離し、東京に連れていってす人をすべて一新した。
それが明治「維新」にという言葉につながったとされている。
京都の皇太子時代の睦仁と明治天皇はまるで「別人」
京都の皇太子時代の睦仁と明治天皇はまるで「別人」である。
京都の皇太子時代の睦仁
御所の女官達の中での温室育ちであった睦仁親王は、ひ弱で女癖も悪くは無く(育ちが良かったので)、右利きであった。乗馬経験はない。
明治天皇
左利き。維新後の明治天皇は艶福家であり7人の側室がいた。側近の者と相撲をとって相手を投げ飛ばし、鳥羽伏見の戦の際、馬上豊かに閲兵した。維新後も、馬上から近衛兵を閲兵し、自ら大声で号令した。
奥様は、昭憲「皇太后」。
普通は天皇の奥様は「皇后」だ。
本当の「睦仁」は亡くなっており、未亡人の「皇太后」として処遇するしかなかったのだろう。
孝明天皇暗殺や、明治天皇(睦仁)入れ替えは長州勢が行ったとされており、長州は安倍総理の地盤である現在の山口県だ。
「令」が入る元号が検討されたのは、過去1回だけであり、その「令徳」は長州を嫌悪した「孝明天皇のお気持ちに沿う」元号だった。
令和は「やんごとなき筋」からの意向で決まった
憲法を守り平和を愛する平成天皇は、改憲し戦争に導こうとする安倍政権をたいへん憂慮され、改憲を防ぐために、このタイミングで生前退位されたとも言われている。
いわゆる民主主義では「俺が俺が」のくだらない国会答弁をする政治家ような人たちばかりが選ばれてくるが、選挙では平成天皇のような方は決して選ばれないだろう。
私は平成天皇を名君だと思っている。
年号は安倍内閣が決めたそうだが、私は「やんごとなき筋」からの意向で決まったとみている。
令和には深い意味が込められている。