真の【お好み焼き屋】真の広島人の食べ方とは!

このたび私はJRで広島に帰省し、駅でお好み焼きを食べたのだが「実に嘆かわしい現実」に直面した!

私はその現実を大いに嘆き悲しみ、真のお好み焼き屋とは何か、真の広島人とは何かというものをここに書き記し、後世に問いたい!

広島に「広島焼き」は存在しない!

まず広島に来た旅行者でお好み焼き屋で「広島焼きください!」などと言う者がいるが、広島に「広島焼き」などは存在しない!

広島にあるのは「お好み焼き」である!

広島の「お好み焼き」以外の、ソバも入っていない似て非なる食べ物を例えば「大阪風お好み焼き」などと称するのである。

広島に来て「広島焼きください!」などとアホなことを言わないように!

そんなことを言う広島人は一人もいない。

真のお好み焼き屋の見分け方

まず真のお好み焼き屋にはカープのカレンダーなどが当たり前のように置いてある。

これが真のお好み焼き屋の証しのひとつであるといえよ~

次に真のお好み焼き屋というのは、大きな鉄板が一枚デンとあり、

その向こうにおいちゃんなり、おばちゃんがいて、お客と対峙する。

これが真のお好み焼き屋のデフォルトの形というものである。

右上のテレビの横にカープのポスターが貼ってあることを見逃してはならない!

広島駅で食べたお好み焼き屋が実に嘆かわしかった!

私は旅を終えて広島駅に到着し、小腹が空いたので駅のお好み焼き屋に入った。

そこで店員さんがこんなことを言うのである!

「たいへん申し訳ありません、今テーブルが満席です。鉄板のカウンターでよろしいでしょうか?」

そんなもんいいに決まっている!

だいたい、お好み焼きというのは鉄板で食うものである。

そうしないと食べている途中で冷めてしまうからだ。

私が子供のころ、おばちゃんは「あ~ごめんね。今、鉄板がいっぱいだからテーブルでもいい?」と申し訳なさそうに言ったものだ。しかたなくテーブルで皿に乗せられたお好み焼きを食べた時には、何か冷めたピザを食べさせられたようで、損した気分になったものである。

味が違うのだ。

だが、しかし!

その駅のお好み焼き屋では違った!

店員さんが「鉄板で食べられますか?」とわざわざ聞く、そんなもん当たり前だ!

もちろん「はい」という。

小一時間の間、鉄板で食べたのは私ひとりだけだった!

ところが、私の左に座っていたにいちゃんは、鉄板の前に座っているにも関わらず、わざわざ皿に乗せてもらって食っていた。

変なことをするやつもいるものだと思っていたら、後から来た私の右隣に座った男も下の写真のように鉄板の前なのに、皿にお好み焼きを乗せてもらったのだ!

ひぇ~っ!@@

目玉焼きが乗っているのが私のお好み焼きで、鉄板の上に置いてある。

ヘラを置く皿なども出さないのが真のお好み焼き屋である。

ところが驚いたことに、隣の男は、鉄板の前にいるにもかからず、わざわざマズイ食べ方の皿に乗せてもらい、後から来たその右隣、そのまた右隣も、つまりこの店にいる全員が皿に乗せてお好み焼きを食っていたのだ!

ほぼ満席に近いその店で小一時間の間、鉄板でお好み焼きを食べたのは、私ただ一人だったのである!

これにはびっくり仰天した!

いつから広島はそんなことになってしまったのだ!

お好み焼きというのは、鉄板から直接ヘラで切り分け、このようにそのアツアツをハフハフ言いながら直接口に放り込むものなのである!

これがうまいんである!

本当のお好み焼き屋では皿などに乗せない。

それなのに、真のお好み焼きの食べ方をしているのが、今久しぶりに帰省し、広島駅に降り立ったばかりの私だけなのである!

私が他県にいる間に、真のお好み焼きの食べ方をする広島人は絶滅危惧種になってしまったのか!

どうした広島人よ!

真の広島人はどこに行った!

風の中のすばるぅ~♪砂の中の銀河ぁ~♪みんなどこへいったぁ~♪見送られることもぉなくぅ~♪

この広島の危機的状況を訴えるため、特番でも組たい気分なのであった。

実家近くのお好み焼き屋でリベンジ

私は、この釈然としない思いを抱えたまま、実家近くのお好み焼き屋に行ってみた。

するとどうよ!

男だろうが女だろうか、浴衣を着ていようが着ていまいが、みんなヘラで鉄板から直接食べている!(涙)

カープの中継を見ながら(笑)

これが真のお好み焼き屋であり、真の広島人のお好み焼きの食べ方なのである!

広島駅で皿に乗ったマズイお好み焼きを食っていたエセ広島人たちよ、これをよく見なさい!

当たり前のように鉄板の前に座り、当たり前のようにヘラで直接鉄板から食べる。

カウンターに皿などない!

あ~よかった!

鉄板から直接食べる真の広島人は、よそから帰って来た私にひとりだけになってしまっかと思ったら、そんなことはなかった。

ローカルのお好み焼き屋では、健在であった!

ごく普通に、何の気負いもなく、自然体にそうしていた。

食というのは、ただ単に小麦粉を胃袋に流し込むことではなくて、おいしい食べ方、その場の雰囲気、文化、それらがすべて合わさって一つの食文化を形成するものである。

これが真のお好み焼き屋であり、真の広島人の食べ方だ。

広島に旅された際には、ぜひ真の広島のお好み焼きを味わっていただきたい!

こうしてカープ優勝時には市民みんながハイタッチするようなカルチャーがお好み焼き屋などで醸成されているのである。


(市民みんなのハイタッチは2分過ぎから)

「そんなにしたらめがんちになるよ!」

ちなみに昨夜は地元の花火大会に出かけた。

近くで見ていた家族連れの小学校低学年くらいの女の子が、スマホに目を近づけていじっている弟に対して、「そんなにしたらめがんちになるよ!」と言い聞かせていた。

めがんちというのは、目が悪いという広島弁である。

ああ、こういう小学校低学年の女の子がしっかりめがんちという方言を正しく使い、広島の文化を受け継いでくれているのだなと思った。

そして私は静かに微笑み、花火を見上げたのであった。

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