認知神経科学【自閉症者は障害ではなく人類に不可欠な自然探究者】京都大学霊長類研究所教授正高信男氏の記事に以下のコメントをいただきました。
私は、人間にも自然にも興味を持っています。理系頭なのですが、文系分野にも興味があります。
とにかく興味の幅が広く、なかなか絞り込めません。図書館に行くと、あれもこれもと興味を惹かれ本を読んでいます。
正高信男氏の不協和音と自閉症児に関する論文に興味を持ち、このサイトに辿り着きました。
私は将来、研究者になりたいと思い、
今は浪人しているのですが、
自分の研究テーマ等のイメージが湧きません。
このような研究をすることで、どのように社会に還元されていくのですか?(2017/10/01(日) 00:12:30)
>私は、人間にも自然にも興味を持っています。理系頭なのですが、文系分野にも興味があります。
>とにかく興味の幅が広く、なかなか絞り込めません。図書館に行くと、あれもこれもと興味を惹かれ本を読んでいます。
あなたは理系文系に幅広く関心をもつ、センサーをもっているのです。
それはそれで素晴らしい知的好奇心のあり方じゃないですか!
そのキャラクターをぜひ活かせばいいです。
>私は将来、研究者になりたいと思い、
>今は浪人しているのですが、自分の研究テーマ等のイメージが湧きません。
>このような研究をすることで、どのように社会に還元されていくのですか?
(将来研究者になりたくて、今浪人中ということはポスドクさんでしょうか。
大学浪人さんなら、「正高信男氏の不協和音と自閉症児に関する論文」なんかを読んでる場合じゃないですよ!(笑)
しかし、ポスドクさんなら自分の研究テーマが決まって研究したから、博士号を持っているわけで、「自分の研究テーマ等のイメージが湧きません。」という発言はおかしいですよね。ですから、大学浪人さんなのでしょうかね。
ならしっかり受験勉強しなくちゃ!やっぱり正高信男氏の自閉症の論文なんか読んでいる場合じゃないですよ!)
「自閉症者は自然探究者」ということですが、とても素晴らしい研究テーマだと思います。
正高信男氏の指摘にもあるように、自閉症者は通常の遺伝的要因による障害よりも著しい高率で発生しているわけです。
ですから「自閉症」は人類の自然探究担当として必要があって生まれていると彼は主張しています。
これは本当に貴重な指摘です。
アインシュタインは発語が非常に遅かった
例えば相対性理論のアルバート・アインシュタインは発語が非常に遅かったことが知られています。学校でも興味ある分野と興味のない分野でも成績が両極端でした。
もし彼が今の日本に生まれたらどうなるでしょうか。
発語が非常に遅いということで、障害児のレッテルを貼られていたかもしれません。
また学校での成績も両極端であったため、いわゆる進学校へは進学できなかったかもしれません。
またセンター試験でも各分野をまんべんなく得点する必要があるため、日本では優れた高等教育を受けるチャンスにさえ恵まれなかったかもしれません。
そうすると人類はアインシュタインという途方もない知性を得ることが出来なかったかもしれないのです。
それは人類の文明の進歩に関わることです。
彼の相対論がなければ、人工衛星の軌道補正もできず、今すべてのスマホに入っているGPSも正常に機能しないんですよ。
GPS衛星と地上では時間の進み方が違うので、「一般相対性理論:重力による赤方偏移」と「特殊相対性理論:二次ドップラー効果」を使って計算し時間を補正しています。
アインシュタインがいなければ、スマホのナビもないんですよ!
これはアインシュタインだけに限りません。
ヘンリー・キャヴェンディッシュはほとんど誰ともしゃべらなかった
例えば「化学の理論を豊かにした最良の論文のひとつ」を書いたと評される、ハンフリー・デービーはヘンリー・キャヴェンディッシュを「ニュートンの死以来、キャヴェンディッシュの死ほどイギリスが大きな損失を被ったことはない」と讃えています。
しかし、ヘンリー・キャヴェンディッシュは極端な人間嫌いでほとんど誰とも何もしゃべりませんでした。
ポール・ディラックも、とても寡黙で無口
また量子力学及び量子電磁気学の基礎づけについて多くの貢献をしたポール・ディラックは、とても寡黙で無口な人なので、友人がからかって「1ディラック」という無口度の単位を作り、それは「1時間に1語」と定義されたほどです(笑)
ディラックが講義の終了時に「何か質問はありますか」と言ったので、ある人が「そこの式の変形が理解できないのですが」と質問しました。
ところがディラックは何のリアクションもせず、みんなが当惑したので司会が「ディラックさん、今の質問に対して何かお願いします」と促したところ、
今のは「いまのは質問ではなく感想だ」と答えたそうです。
まぁ要するに一般の人に向けに数式の変形をよりわかりやすく説明するというような発想は(でき)ないようなのです。
(しかし、ポール・ディラックの数式を追って、彼の数式の変形について質問できる人は相当に数学のできる人だとは思いますが(笑))
「1ディラック」(1時間に1語)しかしゃべらなかったので、一般人とのスムーズな会話は難しかったようです。
天才は「自閉症スペクトラム」的傾向も
ここに挙げた
・アルバート・アインシュタイン
・ヘンリー・キャヴェンディッシュ
・ポール・ディラック
彼らはほんの一例ですが、彼らは現在であればみな「自閉症スペクトラム」と診断されておかしくない人達なのです。
彼らは人類のきら星のような知性に到達した途方もない天才ですよ。
今の社会は彼らの知性を基盤にして成立しているのです。
そのような天才たちに対して現在日本では「自閉症」として「薬物治療」している可能性さえあります。
このような研究をすることは天才を「自閉症」というレッテルから救い出すこと
>このような研究をすることで、どのように社会に還元されていくのですか?
このような研究をすることで、このような偉大な知性を「自閉症」というレッテルから救い、彼らの持てる能力を十二分に発揮してもらい、人類の進歩を推し進める手助けをするのです。
これは途方もない社会への還元であり、人類への貢献ですよ。
簡単に言いますと、今の日本はこういう「自閉症スペクトラム」を「治療すべき異常」としか捉えておらず、彼らのもつ本来の才能を磨き発達させ、それを存分に発揮させる教育も制度もないということです。
一般に彼らはコミュニケーションが苦手であり、興味関心が極端に偏っているように見えます。
しかしですね。
今テレビでやっているようなことや一般人がスタバでぺちゃくちゃやっているようなことに彼らが興味関心を持っていたら、彼らのような至高の知性に到底到達することはできないかもしれないのです。
彼らが一般人と同じことに関心をもっていたら人類は進歩しない
私たち一般人が関心をもつようなことは彼らにはどうでもいいのです。
まったく関心がない。
注意を引かない。
関心がなく注意も引かないからそのことについて思考することもない。
そういうことに関するボキャブラリーもない。
そういうことを思考しないから、一般人とうまくコミュニケーションできないわけです。
しかし、それでいいんですよ。
いや一定数そういう人がいなくちゃいけない。
そうしないと人類は進歩しない。
だから彼らが人類の中に生まれてくる。
彼らが一般的なことに関心がなく、一般人とうまくコミュニケーションできないのは、バカなんじゃなくて、一般人と比べてある分野について関心が集中し、知性が高すぎるからです。
しかし、特に彼らが子供の間は、周囲の大人も親も、ただ単に言葉が遅い、コミュニケーションできないということしかわからない。
この子はちょっとおかしい、普通じゃない。としか思えないのです。
そこで自閉症だとレッテルを貼り薬物治療までしてしまう。
恐ろしいことです。
今の学校教育に天才の居場所はない
私たちは、五教科がちゃんとできて、高校入試やセンター試験でまんべんなくちゃんと点がとれることを「いいこと」であると考えています。それが落ち着いてできない子はどこかおかしいと考えます。
しかし、今の試験内容である暗記科目などは、スマホで調べれば一瞬でわかることばかりです。
誰もが持っているスマホで、一瞬にして調べられることを、なぜわざわざ何時間も何年間も机について座り続けて、暗記しないといけないのか。
「〇〇の乱」が〇〇年にあったってどうでもいいじゃないか。
そのことを知る必要がある時にいつでもスマホで調べることができるのに、それを覚えておかないと、高等教育への道が閉ざされる。
そういうことにまったく興味関心が持てない子供がたくさんいるのです。
小学校、中学校、高校の教室に彼らの居場所がない。
家に帰っても親に「勉強しなさい」「なぜ勉強しないのか」と怒られる。
もうスマホのゲームにはまりこむくらいしか、彼らが生き生きできる空間がなくなってきている。
これが非常に大きな問題です。
スマホで、一瞬にして調べられることを、わざわざ何時間も何年間も机について座り続けて、暗記することにどうしても関心が持てない。
でも、それをしないと「不適応」のレッテルを貼られる。
しかし、そんなにたくさん「不適応者」ばかり生まれてくるのはおかしいのです。
そんなことはない。
それが正岡信男氏の指摘です。
人類を進歩ささせるような真の知性の鍛錬は「現在の普通の教育」では達成されない可能性が高い
これが現代社会の直面する大きな課題です。
主要な課題です。
このことに向き合わずに教育の未来はありません。
「スマホで、一瞬にして調べられることを、わざわざ何時間も何年間も机について座り続けて、暗記することにどうしても関心が持てない」のは本当は「不適応」でも何でもありません。
誰もが感じているんですよ。
なぜこんなバカげたことに12年間も費やされなければならないのか。
もっと言うと、この6、3、3の12年で他人の考えた答えを覚え、暗記することを繰り返すことで、すっかり真の知性が失われると言ってもいいでしょう。
実は「不適応」というのは、自ら持って生まれた真の知性を守るための自然な反応である可能性さえあるのです。
他人の考えた答えを暗記することに人生の初期の12年も費やしてしまったら、
アルバート・アインシュタイン、ヘンリー・キャヴェンディッシュ、ポール・ディラックのような未知を思考し続け探求する仕事はできない可能性があります。
人類を進歩ささせるような真の知性の鍛錬は「現在の普通の教育」では達成されない可能性があるのです。
自分が自然に興味関心を持つ分野に自分の適性がある
>私は将来、研究者になりたいと思い、今は浪人しているのですが、自分の研究テーマ等のイメージが湧きません。
ということですが、「正岡信男氏の不協和音と自閉症児に関する論文」にご関心を持つようであれば、こういう分野に対して何かひかれるものをお持ちなのです。
自分の「興味関心」というのはとても大切なものです。
それが「どの分野に自分の適性があるか」ということを示しているからです。
あなたが「自閉症児に関する論文」に関心があるなら、あなたはその分野に適性があります。
例えば「自閉症アスペルガーにおける才能教育について」などというのは素晴らしい研究テーマだと思います。
いかにアルバート・アインシュタイン、ヘンリー・キャヴェンディッシュ、ポール・ディラックのような子供のころ「自閉症スペクトラム」とレッテルを貼られかねない天才を見出して、彼らの才能を開花させる方法を研究するんですよ。
そして、「将来研究者になる」ためには現代日本では、特に教育などの分野では大学に職を得るということと同義になっています。
今の大学で職を得るにはまずは博士号が必須になりますから、大学院を出ないといけません。
その時、「自閉症アスペルガーにおける才能教育について」というテーマで研究、発表するなら、教育学部ということになるかもしれませんね。
教育学部の「障がい児教育」あたりを専門にしているところがいいかもしれません。
正高信男氏は、京大の霊長類研究所の教授ですから、京大で霊長類研究所に所属することを目指しても、こういう分野で活躍することはちょっと難しいかもしれません(笑)
利発な知性と健全な興味関心と問題意識を持たれて探求されている素晴らしい方だとお見受けします。
ぜひご活躍されますことをお祈りします!
私のために記事を書いて頂き、ありがとうございます。
(実は、コレを読んでいてはいけない方の浪人です^^;)
とても考えさせられるアドバイスでした。興味があるという事が、既に適性を表している、と。
勉強して勉強して、受験が終わりましたら、またこのサイトを訪れようと思います(^^)