【加計学園問題】前川・前文科省事務次官は「子供たちに「嘘をつかなくていいんだ、正しいものは正しいと、間違っているものは間違っていると、多くの人を敵に回しても、自分の意見をはっきりと言っていいんだ。」と身をもって示した、真の日本の教育行政のトップだ。

加計学園問題

安倍晋三首相の意を受けた内閣府官僚らの圧力に負けて、首相の「腹心の友」である加計孝太郎氏が理事長を務める加計学園の獣医学部新設を許可した問題。

3月の参議院予算委員会で、安倍晋三総理大臣は

「この問題についてですから働きかけてません

 働きかけているというのであれば
 何か確証をしめしてくださいよ
 私はね、私は
 もし働きかけて決めているのであれば
 私は責任を取りますよ
 当たり前じゃないですか」と述べている。

朝日新聞が内閣と文科省の間のA4版8枚の記録文書の存在を報道

「朝日新聞」が5月17日、1面トップで「新学部『総理の意向』」と、大見出しを掲げ、昨年9~10月に内閣府と文科省の加計学園の獣医学部新設に絡むやりとりなどをまとめたA4版8枚の記録文書の存在を報じた。

(朝日新聞もたまにはちゃんと仕事をしてるじゃないか!)

政府、文科省は文書の存在を否定

菅義偉官房長官は5月17日午前の会見で、

「内閣府に確認したところ、昨年(16年)9月に(国家戦略特別区域会議の)今治市分科会が開催されたこともあり、関係省庁とその後の進め方について事務的な議論をしていることは事実だが、その中で『官邸の最高レベルが言っている』だとか『総理のご意向だと聞いている』、こうしたことを言ったことは全くなく、総理からも一切指示はない」と呼べた。

菅義偉官房長官5月17日夕方の会見で、

「何を根拠になんでしょう?怪文書みたいなものなのではないか。出所も明確になっていない」と述べた。

文科省は内部調査の結果、文書の存在を否定

文部科学省は5月19日午後3時半すぎ、職員らに文書を作成したことがあるか、また当該文書を省内の他の職員と共有したことがあるか、などと聞き取り調査を行ったところ、文部科学省内で「該当する文書の存在は確認できなかった」と発表した。

ここまでなら日本の政治と官庁、官僚の「いつもの日常」を報じただけで、ニュースでも何でもなく、私も特に関心を持っていなかったが、ここから先がニュースである!

前川喜平前文部科学省事務次官が「文書は間違いなく本物だ」と証言。

5月25日発売の週刊文春は、前川喜平前文部科学省事務次官が「文書は間違いなく本物だ。大臣や自分への説明用として担当の高等教育局専門教育課が作成した」と証言したとの記事を掲載した。

文部科学省事務次官ですよ!文科省の官僚のトップが、自分がそれは自分の在任中の仕事であり、その文章は存在したと証言したのだ!

これは大きい。

これが事件だ!

大ニュースだ!

文部科学省の官僚のトップ、事務次官がまもとな人間だった!

文部科学省のエリートコースを歩み続け、官僚のトップに登り詰めた人間が、政治権力の犬にならず、人間としての良心、魂を持ち続けていた!

すごいぞ!

これこそがニュースである。

だから私はこの記事を書く気になった(笑)

前川喜平前文部科学省事務次官の記者会見を聞いてもらいたい。

 前川喜平前文部科学省事務次官の記者会見

1分20秒から

「国家戦略特区における今治市の獣医学部の新設についてですね。私は、文部科学省の側の事務方のトップとして、その経緯にかかわっていたということですが、その間における行政のありかたについてはですね。私はその当事者の立場の中で、非常に疑問を感じながら、その仕事をしていたと、いうことを申し上げざるを得ません。今般、国会においてその間の経緯を示す文書が議論され、野党からその存在について、政府に対して存在を問いただすことが行われ、また文部科学省においてですね。その文書、8枚の文書についてですね。それが本物であるかどうか。真正なものかどうかについてですね、存在するかどうかということについて文部科学省の中で調査が行われたと聞いておりますが、その結果、これらの文書については確認できなかった、という結論になったというふうに聞いております。

これにつきまして私は大変残念な思いを抱いたわけであります。これらの文書については私が実際に、在職中に、共有していた文書でございますから、これは確実に存在していたわけでありす。そのことについてまず申し上げたいということ。

もちろん今回ですね。文書をめぐってはですね。こういう発言を私がすることによって、文部科学省の中にも混乱が生じるであろうと思っております。文部科学省としては調査をしたけれども、確認できなかった言っているわけですから。この私が出て来てですね。「いやそれはありますよ」と言うことによって、非常に文部科学省としても困った事態になると、いうことだろうと思っておりまして、私の後輩たち、あるいは、私がお世話になった大臣や副大臣といった三役の方々に、この件でご迷惑をおかけすることになるかもしれません。その点については、私は大変申し訳ないと思いますが、しかし、「あったものをなかったことにはできない」と言うことでですね。申し上げたいと思っているわけです。それからもう一つ、私はこの今治市における国家戦略特区の獣医学部新設の経緯についてですね。その当事者であったわけでありまして、その当事者として少なくとも昨年から、今年の1月21日、私が辞職するまでの間はですね、その当事者として、その業務に携わっていたわけですから、その間に、十分にまっとうな行政に方針を戻すということができなかった。結局押し切られてしまったということにつきましては、私自身が負わなければならない責任は大きいと思っております。これは私が事務方のトップとして、また大臣を支える事務次官としてですね、十分仕事ができなかったということでありますので、その点につきましては私の口からも、この場をお借りしまして文部科学省に対しても、お詫びを申し上げたいと思う次第でございます。こういった思いから、今回この文書の真正性ということ信憑性ということ、それから国家戦略特区において今治市の提案が認められ規制改革が行われ、獣医学部の新設が行われるということになった、この経緯についてですね。私が思うところを述べたいと思ったわけであります。以上です。」

彼はこの証言をすることで個人的な利益は何もない失うだけだ

彼はこの証言をすることで、事務次官なら当然約束されている天下り先や、さまざまな利権を失うことがあっても、個人的に得るものは何もない。

彼にとっては、そんな天下り先や利権など小さな話だった。

自分の良心に従うことが、彼にとっては重要だったのだ。

こんな人が文部科学省の事務次官を務めていたこと、官僚のトップに登り詰める出世コースを歩き続けても、このような良心を保ち続けることが可能であること、これが何より素晴らしいことだ。

そして、前川喜平前文部科学省事務次官は誠実でるあることが、このことからわかる。

もし自ら賄賂と汚職にまみれ、多くの裏金を受け取っていたら、こういうことが言えるだろうか?自分も同じ穴のムジナであり、自分に関する「同様な文書」が暴露されるだろう。

こういう意識を持ち続けて仕事をし、こういう自分の良心だけに立脚した証言ができるということは、彼自身が誠実な人だからだ。

彼がそうであるということは、今の現役の官僚の中にも彼と同じまともな良心をもつ人間がたくさんいるということだ。

このような良心をもつまともな人々がいるということだけが、私たちの真の希望なのである。

 NHKも問題の文書が複数の職員のパソコンに存在すると報道

NHKも6月5日、「総理のご意向を示す文書は文部科学省内の個人のパソコンだけでなく、共有フォルダーにも登録されていたと複数の職員が証言した」と報じた。

 読売新聞が前川氏が出会い系バーに出入りしていたと報道

この良心の前川喜平前文部科学省事務次官に対し、読売新聞が5月22日、このタイミングで「前川喜平・前次官(62)が、在職中、売春や援助交際の交渉の場になっている東京都新宿区歌舞伎町の出会い系バーに、頻繁に出入りしていたことが関係者への取材でわかった」と報じている。

ほんとやり方が汚いやね。

 上流社会のパスポートを持つ事務次官が純粋に性欲のためだけに出会い系バーに出入りするとは考えにくい

この歌舞伎町の出会い系バーを取材した人がこちらの記事で、このバーの実態を取材後、

「明けて、昼、

政治家や官僚などがたむろする、
会員制パーティに女性を斡旋している男性に取材した。

「ここに集まる女性は皆、女優の卵やモデル、グラビア、女子大生など、
出世欲や、より裕福なパトロン、愛人を求めてやってくる。
貧困とは無縁の女性たちだ。

都内にはそういった秘密クラブはいくらでもある。
そして、そんな上流社会とのパスポートを、前川前事務次官が持ってないはずはないわけで、
純粋に性欲のためだけに、彼が歌舞伎町の出会い系バーに出入りするとは考えにくいですね

と述べている。

そりゃそうだ!

 前川氏に「口説かれたこともないし、手を繋いだことすらない。」「前川さんに救われた」

6月1日の「週刊文春」(文藝春秋)は

歌舞伎町の出会い系バーで前川氏に声をかけられ3年間で30回以上会ったという女性に取材している。彼女は以下のように述べている。

「口説かれたこともないし、手を繋いだことすらない。私が紹介した友人とも絶対ないです」
「夜10時くらいから食事を始めて、いつも12時くらいになると前川さんは『もう帰りたい』って一人でそそくさと帰っちゃうんです」

また、この女性は、前川氏が自分や友人の悩みについて親身に相談に乗ってくれたエピソードを具体的に明かしたうえ、「前川さんに救われた」とまで語っている。
そして、今回、「文春」で証言した理由についても、こんな説明をしていた。
「記者会見のあった25日に、お母さんからLINEが来て『まえだっち(引用者注・前川氏に彼女がつけたあだ名)が安倍首相の不正を正してる』。それで、お父さんとテレビ見て『これは前川さん、かわいそうすぎるな』と思ってお話しすることにしました。(略)私は前川さんのおかげで今があると思っていますから」

今の日本の最大の教育課題は「教育長や校長先生が(保身のために)嘘をつく」ことだ

前川氏は退任後、素性を明かさず、NPO法人キッズドアで、低所得の子どもたちのためにボランティアをしている。

この記事の中で、代表の渡辺由美子氏は、

「私は今の日本の最大の教育課題は「教育長や校長先生が(保身のために)嘘をつく」ことだと思う。

いじめられて自殺をしている子どもがいるのに、

「いじめはなかった」とか

「いじめかそうでないかをしっかりと調査し」

などと、校長先生や教育長が記者会見でいう。

「嘘をついてはいけません。」と教えている人が、目の前で子どもが死んでいるというこれ以上ひどいことはないという状況で、明らかな嘘をつく。

こんな姿をみて、子どもが学校の先生の言うことを信じられるわけがない。

なぜか学校の先生には、都合の悪いことが見えなくなる。周りの生徒が「いじめられていた。」と言っているのに「いじめ」ではなく、「友達とトラブルがあった」とか、「おごりおごられの関係」になったりする。

それは今回の、あるはずの文書が「調査をしてみたが、見つからなかった。」であり、「これで調査は十分なので、これ以上はしない。」という構図とよく似ている。

自分たちの都合のいいように、事実を捻じ曲げる。大人は嘘をつく。自分を守るためには、嘘をついてもいい。正直者はバカを見る。

自分たちの都合のいいように、事実を捻じ曲げる。

大人は嘘をつく。

自分を守るためには、嘘をついてもいい。正直者はバカを見る。

子どもの頃から、こんなことを見せられて、「正義」や「勇気」のタネを持った日本の子どもたちは本当に、本当にがっかりしている。何を信じればいいのか、本当にわからない。

小さなうちから、本音と建前を使い分け、空気を読むことに神経を尖らせなければならない社会を作っているのは、私たち大人だ。

文科省の精神構造が、学校教育の現場まで浸透し、子供たちを蝕んでいる。

(まさに文科省は官邸の空気を読み、建前で「該当する文書の存在は確認できなかった」といっている。まさにこの文科省の精神構造が、学校教育の現場まで浸透し、子供たちを蝕んでいる。)

「あったものをなかったものにできない。」

前川氏は、「正義はある」ということを、子どもたちに見せたかったのではないだろうか?

前川氏が、自分には何の得もなく逆に大きなリスクがあり、さらに自分の家族やお世話になった大臣や副大臣、文部科学省の後輩たちに迷惑をかけると分かった上で、それでもこの記者会見をしたのは、

「正義はある」

ということを、子どもたちに見せたかったのではないだろうか?

「あったものをなかったものにはできない。」

嘘をつかなくていいんだ、正しいものは正しいと、間違っているものは間違っていると、多くの人を敵に回しても、自分の意見をはっきりと言っていいんだ。

そうなんだ、嘘をつかなくていいんだ、正しいものは正しいと、間違っているものは間違っていると、多くの人を敵に回しても、自分の意見をはっきりと言っていいんだ。

子どもたちとって、これほど心強いことはない。

「正義」や「勇気」のタネを自分の心に蒔いて、しっかりと育てていいんだ。

どれほど心強いだろう。」

私はこの渡辺由美子氏にの意見に賛同する。

前川前文科省事務次官は、子供たちに「嘘をつかなくていいんだ、正しいものは正しいと、間違っているものは間違っていると、多くの人を敵に回しても、自分の意見をはっきりと言っていいんだ。」と身をもって示した、真の日本の教育行政のトップなのである。

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