末期癌の79歳のH.Sさんの遠隔を奥様から依頼されたのは2012年5月9日のことだった。
病院で開腹手術をした癌を取ることはできずにそのまま縫合し、「もう病院では何もできることはない」からと、いざという(死んだ)時、死亡診断などの出してくれる町医者の紹介状をもらい、自宅に帰されていた。そこで老齢の奥さんが一人で看病していた。今は町医者さんが定期的に往診だけしてくれている。
当初は、
・全身がかゆくチカチカする
・全身がだるい
・下半身がむくむ
・特に足が痛い
・全身が力なく五百メートルも歩けない
・鼻腔がつまって呼吸がしにくく苦しい
・ものを食べても味がしない(味0)
などなど・・・
ご本人も「この状態だったら死んだほうが良い」と言うありさまだった。
医師には既にサジを投げられており、妙な薬を飲んでいなかったのはよかったが、浄化は奥様の依頼であり、ご本人と直接コミュニケーションとれない難しさもあった。
この年代特有の亭主関白な方であり奥様にも身勝手な暴言を吐いていた。
そんなこんなで体が悪くなっているのに、私が電話で話をしても、すぐに今までの身勝手なふるまいに戻るのであった。
世の中は、「亭主元気で留守がいい」というくらいだから、奥さんもこの暴君から解放されて余生を穏やかにすごした方がよほど幸せではないかと思うが、その奥さんが「主人をよくしてください」とお願いされるのだからしかたがない。
最晩年をできるだけ苦しまず、穏やかな最後を迎えられればということでお引き受けした。
それからが大変で、今日まで10カ月弱だが356通のメールをやり取りしている。
ご主人が苦しがり午前3時に電話が鳴った事もある。
そんなことより、改善が遅々として進まないことは(少々よくなっても素直によくなったと言わないこともあったようだが)私を困惑させた。
浄化をはじめ何ヶ月かたった後「よくならないのならお礼を頂くわけにはいきません」と私から遠隔の中止を申し入れたこともある。
するとご主人は「(榎本)先生は信頼している。このまま続けてほしい。」と言われたそうで、今まで続けるこになった。
ある日奥様からご主人が倒れたので救急車で病院に入院したと連絡が入った。たとえどんな症状の人でも自分が遠隔中に亡くなってしまうのはうれしいものではない。
病院での検査結果はなんと「腫瘍マーカーは検出されず 血糖値が800mg/dl以上あり重度の糖尿病と診断された」ということであった。
いつの間にか癌は消えていたか!
それにしても糖尿病だったとは!(聞いてないぞ!)
その後、糖尿の改善に比重を移し、血糖値も順調に下がってきていた。
今も足取りはおぼつかないようだが、当初の症状はすべてなくなっている。
そして今朝以下のメールをいただいた。
「味9(0~10) 昨日の往診で血糖値も下がり、顔色も良くなって(お医者さん)が奇跡と申され、感謝です。」
やれやれ!遠隔開始後10カ月弱になるが、ついにここまで来たか。
最近は、遠隔で痛みなどがすぐにとれるのは当然になっており、特に取り立ててブログに書くこともなくなっていたが、今回は私が手掛けた中でももっとも重症だった方の一人で、ご本人の直接依頼ではない間接依頼で、直接コミュニケーションも取っていない特別の事例だったため、上記のメールをいただいた時は本当にうれしかった。
長いマラソンをご主人と奥さんと3人でここまで走り抜いて来たような充実感を覚えたのであった。