何でも昭和初期のビールサーバーをどっかから持ってきて、注ぎ方から何から「昭和」を再現したという。
冷却まで氷というから恐れ入る。
最初は壱度注ぎで飲めという。
注いだのち、何やら横に用意したバケツの氷水にグラスをつける儀式をする。こぼれた泡を洗い流すのだろう。
ビールを持ってくるなりおやじは講釈を垂れ始めた。
「まず最初の一杯は、銭湯で風呂上りに牛乳を飲むように、背筋を伸ばし、腰に手を当て、ぐっと一気にやってください。」
やかまし!
ビールを飲みに行って、飲む姿勢まで言われたのは初めてである。(笑)
お味は、もともとフルーティーなヴァイツェン系が好きな私にとっては、昭和なピルスナー系のビールはいつも飲むビールではないが、苦味もほどよくキレもあり、そう言えば親父たちが飲んでいたビールはこんな感じだったかもしれないなぁと思わされた。
そんな昭和な雰囲気が楽しいお店。
営業時間は17時~19時のわずか2時間、ビールスタンドになっている樽は3つしかなく、お店の外に数人の待ちができていた。おかわりは一杯のみ。
「ビールスタンド富重」は広島の銀山町にあります。