手の指の関節の痛みがすっと取れない方からのメールです。
こういう症状の方は、長い間自分を自己卑下したり、何かをずっと我慢している人が多いのです。
何を我慢しているのですか?(榎本)
>人間関係・・もっと言えば親兄弟・・・です。
>実家の母と妹と一緒に働いています。(半日だけですが)
>全く性格の違う二人に何か言われると恐怖が出てしまいます。
>子供の時、育つときにたぶん
「勝手にしなさい」「好きにしなさい」
>・・って言われて育ったのか、私は良い子をずっと演じてきて親の言うこ>とに反発もせず生きてきました。
まずですね。
完璧な人間はいません。あなたも不完全ですし、私も不完全です。お互い成長途上の人間です。あなたのご両親も不完全だし、私の両親も不完全なんですよ。
すべての人間が不完全ですから、すべての両親は不完全です。
ですから、すべての両親は間違えるのです。
それは私が間違え、あなたが間違えるのと同じです。
それは当たり前なのです。
そして、両親は、(あなたも私もという意味ですが)、自分が育ったようにしか、子供に接することができないのです。
なぜなら人は自分が持っているものしか、人に与えられないからです。
もしお母さんがそのようにあなたに接したのなら、お母さんはそのように育てられたということです。そしてお母さんは「それを正しい」と思ってあなたを育てたのです。
まず、お母さんはお母さんなりに、あなたを育てるためにベストを尽くしたということを理解してください。
しかし、お母さんも人間ですから間違えるのです。
それは当たり前です。
さて、幼い子供が、親に何かを言われてそれをしなければ「勝手にしなさい」「好きにしなさい」と言われるのは大変な恐怖です。
なぜなら、幼い子供は親の愛を失ったら生きていくことができないからです。
明日から寝るところもなく、ご飯も食べられません。
その言葉に、幼いあなたが打ち震えたのは無理からぬことです。
親が子供に自分の意見に従わせるのに、言うことを聞かないなら「親の愛を引っ込めるぞ」ということは絶対に言ってはいけないことです。
子供が一人前になるまで、親が子供を守ることは無条件で一切揺ぎないのものでなければいけません。それを取引に使ってはいけません。
それは人間がどんなに悪いことをしても神様が空気を止めたり、食べ物が育つのを止めたりしないのと同じです。どんなに子供が自分の意に沿わないことをしても育み続けなけばいけません。そこに条件も取引も一切ありません。親の子供に対する愛は絶対でなければいけないのです。
しかし、お母さんはその親の愛をというものを、あなたを従わせるための手段として使ってしまいました。それはお母さんもそうして育てられたからですよ。
それをお母さんは「よかれ」と思ってあなたにしたことを理解してください。
お母さんはお母さんなりに「あなたのため」と思ってやったのです。
>妹は自己主張がはっきりしていたので、親も私が良い子になっていれば満足だったみたいで妹のことは「あの子はわがままだからね~しかたないね」と言っていました。
でも私が自分の意見を言うと怖い顔で。>今もあの言葉には恐怖を感じてしまうのです。
>いつもみんなと仲良くしたいっていうかもめたくない・・というう思いがいっぱいあります。だから何か言われても自分の意見を言ったら「じゃあ勝手にすれば」と言われるとかなりの恐怖を感じてしまうんです。
それは幼かったあなたが、親の愛を失う恐怖に打ち震えた記憶が残っているからです。
それはしかたがないことでした。
無力な幼い子供には従う以外の選択はありません。
しかし、大きくなり判断力もつき、世の中がわかってきました。世の中で生きていく力もついてきました。
もし親が自分の考えを子供に押し付けるような親だったら、(それはすべての親が不完全ですからみな大なり小なり「よかれ」と思って自分の意見を子供に押し付けるのです。)
子供は思春期に反抗期を迎えます。
それは「正常」なことですよ。
あなたが、今までの親のやり方を受け入れるのか、違う自分の人生を歩み始めるのか。
すべての子供が「自分の人生」を歩むのが正しいのです。
それが生命の進化の源泉です。
親が「よかれ」と思って押し付けてくる考えに「違う」と思うのなら、断固「NO」ということです。そのかわり親は、「勝手にしなさい」「好きにしなさい」というでしょう。
なぜなら親はそうした経験がないからです。もうこれ以上は責任は取れないよと言っているのです。それはそういわざるを得ません。親はそうした経験がないのですから。
しかし、そこで「うんわかった。今までありがとう。私のやりたいようにやってみるよ。ここから先は自分で判断し、自分で自分の人生に責任をもたないといけないことはわかってる。でもやってみるよ。今まで本当にありがとう。」
と親の影響下から去らなければいけないのです。
それがあらゆる生命が迎える「正常」な巣立ちです。
もし親が自分の言うことを聞かない子に、激しい制裁を加えるような親なら、その家庭では激しい反抗期が見られることでしょう。
しかしそれが「正常」です。
そうして、親のやることに違和感を感じ、自分の人生を勝ち得た子供だけが、新たな自分の家庭では、親の過ちを繰り返さないのです。親のよくない面を反面教師にして超えてきたからです。
それが生命の「正常」な進化のあり方です。
その親の考えに違和感を感じながらも従った子供は、自分の家庭でも親と同じことを繰り返します。なぜなら、それしか知らないからです。
すべての人間は成長過程にあり不完全です。
ですから、親であれ、何であれ、どこかで違和感を感じ、自分なりのやり方で生きてみたくなるのです。
それが生命のあり方です。
それが正常なのです。
>でも最近は少しづつですが言うようにしています。
>言わないときでも何か言われても聞き流せるようにと思ったりしています。
もう大人なんですよ。
親の愛を失えば生きていけなかった幼い自分ではないのです。
もうその幼いころの恐怖は手放してください。
そして親も「よかれ」と思ってやったのですから許してください。
すべての親がそうなのです。
それはすべての人が経験することなのです。
>楽しいことをして暮らすようにと…思ってはいます。
はい。
楽しいこととは、自分の思うように自分の人生を生きるということです。
決して誰かに制限され、利用され、犠牲になる人生ではありません。
たとえそれが親であってもです。
親は超えていくべきものです。
あらゆる生命が親を超えていくんですよ。
それが進化の法則です。
根本のところにそれがあれば「楽しいこと」というのは、自分の本当の問題から一時的に気をそらす、なぐさみ、娯楽でしかありません。
誰に制限され、利用され、犠牲になることなく、自分の人生を生きることが真の楽しいことです。
それを達成するまで、あなたの指は痛み続けてそれを教えてくれるのです。
自分の人生を失うくらいなら、指の痛みなど大したことではありません。
むしろ、その指の痛みをきっかけに自分の人生が取り戻せることに感謝してください。