イタリアで自転車旅行をしようとする人の参考のために、今回体験したこと忘れないうちにメモしておきます。超マイナーな情報であり、一般向けではありません。(イタリアを自転車旅行しようとする人はなかなかいないかな^^;)ぜひ誰か役立ててください!
イタリアの自転車道路地図
まずルートの検討だが、こちらのイタリアの自転車道の地図を参考にした。
今回の飛行機の発着はローマでイタリアの5大都市のうち、4つまでが北イタリアにある。
だから、初めてのイタリアであり北を回ることにした。
ローマは7つの丘の街と呼ばれており、地図を見るとフィレンツェも山がちでありアップダウンは避けられないと考えた。
ポー川平原は走りやすい
一方ポー川流域の北イタリアは平原が広がっており、アップダウンがすくなそうで走りやすそうだ。
実際その通りで、ポー川平原は、川の堰堤くらいしかほぼアップダウンはないと言っていいくらいどこまでも平地でとても走りやすいところだった。
走る道路だが、やはり主要幹線は交通量が多くお勧めできない。
道幅のせまい迂回路がいくらでもあり、そちらを通ることをお勧めする。
特に上の地図の青いラインは自転車専用道であり、とても走りやすい。
今回はボローニャからポー川沿いに出て、ポー川沿いの自転車専用道「ポー川 左」(SINISTRA PO)という道を走しったが、この道は特に快適で1日に100km走れてしまった。
(イタリア語はほぼローマ字読みであり、「SINISTRA」はシニストラと発音し「左」という意味です。)
この道を走ったおかげで「SINISTRA」シニストラ(左)という言葉を覚えてしまい、街で地下鉄などに乗ったとき左側のドアが開く「シニストラ」という車内案内が聞き取れるようになった!(笑)
イタリア自転車レンタル店の探し方
イタリアで自転車ことはbici(ビーチ)であり、自分が借りたい都市名、たとえばボローニャなら 「bologna rental bici(bike)」などで検索する。
そうすると候補が出てくるので、ポイントが高く、駅と宿に近い「Bike Tour / Bike Rental / BikeinBO」で借りた。
パンク修理キットもはじめからつけてくれて、結局トラブルは付属の道具ですべて対応できたので、とても助かった。(そのキットの使いこなしはをこの記事参照。)
ちなみに駅名をよく確認しておこう。
私が使ったのはBologna Centrale(ボローニャ チェントラーレ)駅だが、都市名がついて例えばボローニャ〇〇駅というのが都市圏に複数あることがある。「あ!ボローニャだ!」とああわてて降りないようにしよう。
切符を買う時も同様でその都市の複数の駅のどれかを指定して買う必要がある。
〇〇 Centrale(チェントラーレ)〇〇中央駅でいい場合が多い。
自転車の旅にはMAPS.ME
スマホのナビは道の確認に多用した。
ただしgoogleマップの場合、車の交通量の多い主要道を案内しがちだ。(自転車案内が機能していない)
そこで非常に役立ったのが、MAPS.ME — オフライン地図とナビゲーションのアプリだ。
これは出発直前の8月27日に東京セミナーで、宿で朝食のモーニングを頂いているとスタッフの若い女性が「また旅に行かれてるんですか?」と声をかけてきた。
どうして私が旅が好きなことを知っているのかなと思ったが、どうも以前泊まった時のチェックインの時に一言、二言の旅の話が話題になって、そのことを覚えてくれていたようだ。
その女性が、「私はこの6月にアメリカ西部を旅したんですよ」というので、「私も以前キャンピングカー借りて、アメリカ西部を旅したことがありますよ!」というと、まったく同じエリアであり、スマホの写真を見せてくれて「あ~ここ行った!行った!」とずいぶん一緒にもりあがった(笑)
その女性が「MAPS.MEすごくいいですよ!」と教えてくれて、私もその場でインストールしていたのだが、これがとてもよかった!
なぜこれがいいのか語ると長くなるので別の記事で改めて書いておきたい。
このMAPS.MEがイタリアで自転車道を検索すると、さっと示してくれて、その道がとても走りやすく気持ちがよかった。
ちゃんと交通量の多い主要道を避けて、並木道とか、運河沿いとか、自転車道があるところとかをできるだけ案内してくれる。
だから、今後は自転車旅ではこのMAPS.MEは必須だなと思った。
イタリアを自転車で旅する方にもぜひお勧めします。
イタリアではローカル線に自転車が載せられる
さて、今回はボローニャで自転車を借りたのだが、なぜボローニャか?
それは、北イタリアのポー川平原にある都市であり、ミラノやヴェネチアという主要都市と、フィレンツェ、ローマ方面を結ぶ鉄道の拠点になっているからである。
実はイタリアの鉄道には自転車が載せられる。
それはレジョナーレ(REGIONALE)というローカル線だけなのだが、先頭か最後の車両に自転車のマークがあり、その車両に載せていいのだ。
結果として今回は載せることははかったのだが、故障したり、天候が崩れたり、体調が悪くなったり、もし何かあれば、鉄道を使えるという心理的バックアップは大きい。
そうでないとバリ島みたいにトラックをチャーターしなくちゃいけなくなるかもしれない!(笑)
そんなことをしなくてもいざとなったら鉄道駅まで押して歩き、載せればいい。
そして、最後にローマに帰るとき、必ず通るのはボローニャであり、かつ北イタリア平原の都市であるボローニャで借りたのだ。
パンク対策
長距離の自転車旅行の一番の脅威はパンクである。
パンクすると走れない。歩くしかない。
だからパンクした時の対処は必ずできなければいけない。
(もし最終的にできなければ駅までおす!)
で、今回のイタリアではパンクしたのか?
した。
4回もした!
ブログの記事では話題にしなかったが、パンクした。
実際に旅する場合はこういう「現実」に対処する能力が非常に重要になる。
必ず持っておく必要があるものは
・ポンプ
・イタリアンバルブ用の空気アダプター
・タイヤ外しレバー
・交換用チューブ
・パンク修理キット(これは日本で売られているものでOK)
まずポンプだが去年バリ島で買った、小さな米式のプラスティックのポンプを持参した。
これがウエストバッグにも入るサイズで軽く、プラスティックなので機内持ち込みも問題ない。
日本ではMTBはほぼ米式バブルであり、バリ島でも米式バルブだったので、世界中MTBは米式バルブだと思っていたらイタリアでは違った!
イタリア式バルブ
イタリア式バルブなのである!
日本でイタリア式バルブを扱った人はほぼいないに違いない。
日本のバルブはママチャリの英式、ロードバイク等の仏式、MTBの米式の3種類であり、
私もこの3種類は経験があった。
今回パンクして修理する時はじめてこの伊式にご対面したが、一瞬仏式だと思った。
ところがこの先のネジは回すととれるのである。(仏式は外れない)
ということで、ただ単に米式の空気入れを持参しただけでは、空気を入れることさえできない。
変換アダプター
変換アダプターが必要なのである!
米式の空気入れとこの変換アダプターがそろって初めてタイヤに空気を入れることができるのだ!
さて、私はこの変換アダプターを持っていたのか?
いなかった。
イタリアのMTBが「イタリア式バルブ」であることさえ知らなかった。
どうやってこれを手に入れたのか?
最初のパンク
実はボローニャで自転車借りて走り始めて1時間くらいで最初のパンクに見舞われた。
まだ自転車にもイタリアの道にも、土地の様子にも慣れていない時である。
さいわい、自転車レンタル屋さんが修理キットを入れてくれており、その中にこんなイタリア製瞬間パンク修理剤があった。
この写真の先についているのが、イタリア式と米式の変換アダプターなのだ!
一回目のパンクはこれで何とかした。
イタリア式バルブの瞬間パンク修理剤の使用方法
最初はバルブがイタリア式とわからなかった!(涙)
仏式と同様と思って、途中までゆるめて注入しようとしてもぜんぜんうまくいかない!
結論から言うと、イタリア式バルブは完全に頭のネジを外した状態で空気を入れなければならない!
イタリア式バルブは完全に頭のネジを外した状態で空気を入れなければならない!
これが最初わからずうまく注入できずどれだけ苦労したことか!
まず頭のネジを完全に外し、次に変換アタブターをねじってつける。
この状態でようやく「瞬間パンク修理剤」も、持参した米式ポンプも初めて使えるのである!
これを現地で座り込んで解明するのに手間取った。
イタリアで自転車を借りた時の空気を入れるコツなどいう超マイナーな知識を使う人はめったにいないと思うが、私はこの知識を使うごくわずかな、あなたのためにこれを書き残しておくのである!
とっても苦労したから(涙)
この記事を書くために、日本でほとんど売っていないイタリア式チューブを持ち帰ったのである!(これホント。この記事を書いたら廃棄します。だって日本じゃ使えないもの(笑))
米式ポンプを持参したあなたがイタリアで空気を入れるポイントは、この変換アダプターにある。
さて、これをどうやって手に入れるか。
残念ながら日本ではほとんど売っていない。
イタリア製瞬間パンク修理剤を買えばこのアダプターは使えるが、スプレーの薬剤自体は飛行機に持ち込めない。
だから、この薬剤を買って、アダプターの部分だけを持参することはできる。(薬剤は日本で使えばいい)
そうでなければ、イタリアでこの薬剤を入手するしかない。
今回はたまたま自転車レンタルした店で付属品のバッグの中にこの薬剤が入っていた。
最初はただやみくもに試行錯誤して、薬剤を注入しようとしていただけだったが、ある瞬間ハタと気がついた!
「これは米式と伊式の変換アダプターだ!」
これさえあれば、手持ちのポンプで空気を入れることができる!
その後、この小さな黒くて丸いプラスチックのアダプターを、まるで宝物のように、決してなくなくさないように常に確認しながら、大切に扱った。そして実際何度も使った。
使用済みのスプレー缶自体は廃棄してしまったが、このプラスティックのアダプターだけは絶対に捨ててはいけないのである!
これがないと米式ポンプだけでは空気を入れることができないのだ!
走り始めて1時間ほどで「伊式バルブ」というものが存在することさえ知らないまま修理に取り掛かったが、これは仏式とは違い「Italian Valve」という別物であると知ったのは、翌日自転車屋に寄って予備のチューブを買って、その箱を見た時だった。
これはイタリアで自転車を借りて旅する時の最重要知識のひとつである。
(私は現地でパンクするまで知らなかったが^^;)
さて、1回目のパンクは何とか薬剤を完全に使い切る前に、このことに気づき、無事修理を完了し、ポンプで足りない空気を補うことができた。
こうやってなんとか無事ボローニャからフェラーラまでたどり着いたのであった。
二度目のパンクはチューブ交換
ところがパンクはこの1回で終わらなかった!
2回目のパンクはパドヴァで起こった。
パドヴァで二連泊し、宿に自転車を置いて鉄道でヴェネチアに行ったのだが、
翌朝パドヴァを離れる朝、宿で自転車の空気が抜けていたのである!
1回目は後輪、今度は前輪だった。
しかしフェラーラで予備のチューブを買ってあったので、今回は交換だけだった。
タイヤにあったトゲを見つけて抜き、要領よく交換して走り出した。
三度目のパンクは屋外で修理
しばらく走ってパドヴァの郊外にさしあたったあたりでまた前輪の空気が抜け出した。
これには少々滅入る。
さっき新品のチューブに交換したばかりなのだ!
もう予備のチューブはない。
この日はたまたま日曜日で、付近の自転車はすべて休業だった。
(ヨーロッパの田舎では安息日の日曜日は店が閉まっていることが現在でも多い)
ということでパドヴァでもう一泊して、月曜に自転車が開くのを待つか、自分で修理してみるか選択を迫られた。
自転車レンタルした店で付属品のバッグの中に、修理キットもあたったので修理を試みることにした。
そのためにはパンクの箇所を発見しないといけない。
水と洗面器がない。
どうするか?
道端に落ちているペットボトルを切断し、飲み水用の水を入れてこうやってパンクか所を検査した。
こうやってぷくぷく空気がでる箇所を特定し、もっていたボールペンでマークし、パンク修理キットを使って修理した。
(たまたま自転車修理屋がパンク修理キットも入れておいてくれたが、これは飛行機にも載せられるので日本から持参すべき^^;)
ところが走り始めてしばらくするとまたもや空気が抜け始めた!
4度目のパンクは運河の水で修理
チューブに空気が入っており、該当箇所のトゲも抜いたハズだがまだどこからかもれているのか?!
これを特定するのは、ペットボトル作戦では難しかった。
そこで近くの小運河まで歩いて行き、そこにチューブをひたして、もう一か所のもれ箇所を発見した。
そして、今度こそは絶対に穴をあけないぞ!とタイヤを念入りに調べた。
するとよく見ると、穴が開いたところ以外にもたくさんのバラのトゲのようなものが刺さっているではないか!
恐らく以前この自転車を借りた人が、植物のいばらのところに突っ込んでしまったのだろう。
その時のトゲがたくさん残っており、たまたまとげのところに衝撃が加わるとチューブに穴を開けているらしかった。
そこで、そのタイヤのトゲを丁寧に丁寧にとった。
10数本はとった。
2回も3回も念入りに見直した。
それでチューブを装着すると、その後、ボローニャで自転車を返すまで再びパンクすることはなかった。
ふぅ。
自転車を借りるというのはホント色んなコンディションのものがあるわい。
まぁしかし、こういうことも楽しめるくらいでないと、海外で自転車旅はできない。
ということで、すべてのトラブルをクリアし、列車に自転車を載せることなく、無事約500kmを完走してボローニャに帰ったのであった。
チューブは宿で直し、必ず予備が一本ある状態で走る
田舎を走っていると、自転車屋をなかなか見つけることができない。
パンク修理で一番難しいのはパンクか所の特定である。
屋外には水と洗面器がない。
しかし、宿には水と洗面台がある。
屋外でパンクか所の特定をするのと、宿の洗面台で特定するのでは所要時間がまったく違う。
宿では10分程度で修理が出来てしまう。
走行中予備のチューブは必ずもっておくべきであり、チューブを交換したらパンクしたチューブを宿でその日のうちに修理しておこう。
私も修理しておいた。
結局使わなかったがそれでいいのだ。
天気と気温
北イタリアの9月は早くも秋の足音がする。
朝晩は冷えることもある長袖のジャケットは必須。
雨季は10月からであり、9月の天気はおおむね安定している。
またこの時期、日本のように長雨になることは少なく、ちょっと木陰やカフェなどでやり過ごせば、しばらくすると止む。
9月は走りやすく、バカンスも終わって宿も見つけやすく値段も安くなっているので、自転車旅行にはお勧めだ。
雨具
折りたたみ傘は時折使ったが、イタリア人は傘もささずに歩く人も多い(笑)
すぐやむからなのだろう。
しかし何度も使ったので、あった方がいい。
レインジャケットはこれをもっていたった。
2、3回使った。
雨宿りすればやり過ごせるから、なしでもなんとかなったが、持って行った方が無難。
私は再度行くことがあればやはりこの軽いレインジャケットは持っていく。
防寒にもなるしね。
(ちなみに前回のバリ島では乾季ということでレインジャケットは持っていかなかった。)
たまに来るスコールをやり過ごして使わずに済んだが、やはりあった方が無難。すぐに雨宿りするところが見つかるとは限らないので)
水の補給
都市部に入ったら、1リットルのペットボトルを買って持っておいた方がいい。
田舎では水がなかなか手に入らない、コンビニも自動販売機も一切ない!
雑貨店さえなかなか見つけられない。
その時はBAR(バル)に入ろう。
1リットルのペットボトルの水も手に入ることがある。
田舎のBAR(バル)はカフェでもあり、アイスクリームもあり多機能だ。
しかし、バルで買うと1.5ユーロだった。
スーパーで買うと、1リットル30セント代で買える。
日本よりもはるかに安いので水の調達はスーパーをお勧めします。
ちなみにパン類も安い!
スーパーで水とパン買って昼食にしてしまうと、ひとり100円程度で収まることもあった。
ということで、イタリア自転車旅行術でした。
(2017年10月4日追加)
イタリア式とフランス式バルブは同じアダプターが使える
上の記事で、米式のポンプでイタリア式バルブに空気を入れるには、変換アダプターが必要である旨書いた。
その後、家にあった金属製の日本でも普及しているフランス式と米式の変換アダプターをイタリアのチューブに付けてみたところ、ぴったり付くことがわかった!
イタリア式とフランス式バルブのネジの径とピッチは同じである。
だから、日本で販売されている仏式と米式の変換アダプターを持っていれば、イタリアで米式ポンプで自転車に空気が入れられることが判明した!
ということで、イタリア式の場合、フランス式と違って先頭のネジをとって空気を入れることだけが違いということがわかった。
イタリアでも、手持ちの仏式バルブアダプターが使えます!
イタリアでも、手持ちの仏式バルブアダプターが使えることが判明しました!
その記事を一番下に追加しました。