海外に行くとき、日本語の情報がたくさんある街へ事前に下調べをしてそこにいく場合はあまり問題ないかもしれないが、スペイン巡礼のようにその日その日で宿を決め、その周囲で食事をする場合、事前に調べようもないし、そもそもガイドブックには乗っていない町であることも多い。
そこでできるだけ宿の近くでおいしくてリーズナブルに食べる方法を今回の旅で身につけたので紹介しておきたい。
スペインの巡礼路はメインストリートであることも多い。宿を探しながら歩いてチェックするのも楽しい。
スペインではパラソルとテーブルと椅子をおいて通りに面したところで食事しているのが一般的だ。
店内よりも外で食べている人の方が圧倒的に多い。
そこで外にたくさん人が座っている店がやはり「当たり」である。
私も前半はずいぶんこの手を使ったが、これだけでは充分ではないことがあとでわかった。
スペイン人たちはレストラン(バル)の前のテーブルに結構いるが、ほとんどの人がビールやワイン、ジュースやコーヒーなどの「飲み物」を飲んでいるだけの店があるのだ。
スペインでは生ビール(カーニャ)が百円台から飲めるので、ほんとに多くの人がパラソルの日陰に座り、生ビールなどを飲みながらゆっくり歓談している。
しかし、よく見るとにぎわっているけど、ほとんどの人が食事はしていない店がある。食事もできるのにである。
スペインではバルに入って、生ビールだけを飲んでゆっくりしてもぜんぜんかまわない。
そういう人も多い。
スペイン人は結構バルをハシゴするのだ。
私が思うに、スペイン人はある店に入ってカルタ(メニュー表)を見て「ここは高いな」とか「あまりおいしくなさそうだな」と思うと、飲み物だけを飲んで食事は別の店に行くようなのだ。
スペイン人は私たち日本人と違って当然ながらさまざまな情報を持っているし、レストランを判断する勘ももっている。
要は彼らがどう判断しているのかを観察するのだ。
だからストリートを歩いていて、ただ単に「人が入っている」だけでなく、「人が入って食事をしている」店を選ぶのがコツだ。
テーブルはストリートにたくさん出ているから、実際に食事をしているかどうかは皿を見ればすぐにわかる。
またその実際の料理が自分の好みにあうかもぱっとわかるので便利だ。
さてある程度の街になってくると道はメインストリートだけではない。
いいレストランというのはちょっと入ったところあったりする。
その最寄のいいレストランを見知らぬ街で見つけるにはどうしたらいいか。
それはもう「Google map」が最高のツールである。
自分が今いる場所で、つまり到着した宿でGoogle mapを開き「restaurants」で検索する。
そうすると近隣の複数のレストランが★★★★☆4.0 (41) 750mという感じで評価と距離が出てくる。
コメントをクリックしてもスペイン語ばかりでまったく読めないが、かまうことはない。
地元の人が評価しているということは、地元の他店とくらべてもいいということだ。
営業時間も出ているから便利このうえない。
気に入った店が見つかったらあとはその店をクリックしてナビを「徒歩」にセットし歩いていくだけ。
テーブルについてウエイターさんがきたら「カルタ ポルファボル」と言ってメニュー表をもらう。
ちなみに「Menu」というのはスペインでは定食(セット)をあらわすので、「カルタ」と言わないと日本で言う「メニュー表」は出てこない。
英語のメニュー表を持っているところではそれを出してくれる。
しかしメニュー表の文字を読んだところで実際の味はわからない。
で私はメニュー表をテーブルの上に乗せて、
「ケ メ リコメンデ!」(あなたの好きなものを教えて!)
「Whichi do you like? best one!」などと英語でもウエイターさんに言う。
2、3皿食べたい場合は
「Second plesase」
「Third?」と聞けば次々指差してくれる。
すぐ横にプライスも書いてあるので、料金も確認できるので安心だ。
こうすれば、自分自身はその街についてまったく無知であり、そのレストランについてまったく無知であっても、
その街のいいレストランで、そこの一番の得意料理を食べることができる。
この方法でハズれたことはない。
ストリート沿いの店を観察するかgoogleマップに聞き、ウエイターさんのお勧めを注文する。
これが見知らぬ土地でおいしいものをリーズナブルに食べる、最良の方法だ。
ちなみに一番上の写真はこの方法を確立したスペイン巡礼路上のサンティアゴまで135.4km地点のTricastela(トリカステーラ)という小さな町のParrillada Xacobeoというお店。何と読むのかわからない(笑)「パッリラッダ サコベオ?」
行く人がいるかどうかわからないが、トリカステーラに行かれたらぜひ!
ウエイターさんがとっても陽気で気持ちがいい。
屋外のオープンな雰囲気とあわせて楽しくなってくる。
テーブルのパンを全部平らげてしまったのを見ると、他のテーブルであまっていたパンをバスケットごと運んで、置いてくれた。もちろん追加の請求などない。
巡礼者がはらぺこなのを知っている小粋なはからいだ。