台湾最終日の前日、台北からMRTで行ける北投(べいとう)温泉に行ってきた。
北投温泉は台湾統治時代に日本人が開発した温泉で、泉質は抜群にいい。
泉源の地獄谷も見れて温泉気分が盛り上がる。
このすぐ下の温泉公園に、公営の混浴露天風呂がある。
私はここに入ろうと思ったのだが、水着着用で説明書きを読むと、「ポケットの着いた水着はダメ」と書いてある。私が持ってきたのはポケットがついていたので断念。
足湯もあるが、ここも入る前に足を洗うのがマナーになっており、台湾の温泉のレギュレーションは日本より厳しいかもしれない(笑)
北投青礦名湯
ネットで調べて、「北投青礦名湯」というところに行ってみる。
お金を払って中に入ると、中にはまったく仕切りがない。
つまり湯船、脱衣所などが一体になっている。壁に衣服を入れておく棚がしつらえてある。
この極めてシンプルな設計は別府の町々にある小さな浴場では非常によくあるパターンだ。
私は初めて入ったその温泉の部屋を一瞥し、ただちにその入り方を理解した。
別府温泉でもこの一体型のタイプはよく見るが、通常は脱衣コーナーは段差がついており、水がかからないようになっているが、ここは段差がないので、着替えるコーナーの床まで濡れている。
サンダル履き、短パンで訪問するのがよく、長ズボン靴下などで行くと、裾を濡らしてしまうかもしれない。
壁面の仕切られた棚に荷物や服を入れておくと、それは常に湯船から全員に丸見えであり、ロッカーではないが、盗難は極めてしにくい。
別府のジモティ温泉も多くはそうなっており、極めて合理的だ。
服を脱ぐと、左にしつらえられたシャワーで体をよく洗う。
そして湯船に入ってみた。
結構熱い!
バリ島でも温泉に入ってみたが、あまり利用されていない感じだった。
とても人々に定着しているとは言えない。
バリ島ではプールは非常に多い。沐浴し体を冷やすのが好きみたいだ。
暑い国では温泉は好まれないのかなと思ったが台湾では違った。
大きな浴槽が2つありひとつがぬるめであり人が多い、ひとつは熱い湯であまり人が多くない。(笑)
その熱い湯に私はつかり、「おっこの湯温に入るとは台湾人も結構やるな!」と思ったのであった。
が、しかし!
私はおんせん県大分に住んでおり、温泉の本場日本から、しかも日本最大の圧倒的湯量を誇るおんせん県大分からやってきたのである。
涼しい顔をして入り続け、たいがいの台湾おやじたちをやっつけ、ひとりで悠々と入り続けたのであった(別名やせがまんとも言う)
でも大丈夫!
水が張ってあるサウナによくあるような小さめの浴槽があり、そこで体をしっかり冷やすことができる。
ふぅ~
その後は、ベンチに座ってのんびりする。
再び英気をやしなったら、熱い湯船に入って台湾おやじたちをやっつけ続けたのであった。
それを繰り返していたら、サウナに入ったようでとても気持ちよくなってきた。
ここは温度計があり、湯温は47度を示していたから日本のレベルでもかなり熱いと言えよ~
また湯量を調節するバルブがあり、それも地元の訳知りのおやじたちが自分たちで調節していた。別府温泉でも、湯量のバルブは地元の人が操作するものだ。
なお、ここは完全な湯治場であり、地元のおやじさんたちは、マイドリンクを棚のところに置いている人も多く、出たり入ったりを繰り返し、相当長時間滞在している風であった。
日本でこんな湯治場的に何時間も心底お湯を楽しむのは最近あまり見かけない。
そういう意味でとてもシブイ本場の湯治場に久しぶりに来た気分であった。
結構長く浸かっている地元の長老たちが、もっと長く浸かっている私を横目でみて、
ややや!こやつ、何やつ!
みたいな感じでなのが楽しかった。
世界最大の温泉国、日本の最大の湯量を誇るおんせん県からやって来た私が、その辺の者に負ける訳がないのであった!
ちなみに私は別府温泉では、ジモティのやせ我慢おやじたちに勝負を挑みません。
彼らは異常です(笑)
私でもとても勝てない。
私はさっさと降参し、水が注がれているところにいつも入ります。
外国人のガイドブックには、
別府温泉で日本人が涼しそうな顔して入浴していても、私たち外国人が入れると安易に考えてはならない。やけどする。日本人は数千年に渡って温泉に入って皮膚を鍛えていることを忘れてはならない。
といった内容が書いてあるそう。(笑)
さもありなん。(笑)
日本人でも他県の人が別府温泉に来て、地元の人が気持ちよさそうに入っているのを見て、何気なく入り「あ゛~っ」とすぐに這い上がり、びっくりして周りを人を見まわしている人が時々いる。(笑)
別府の地元おやじたちはそれを横目で見て楽しんでいる風がある(笑)
私も最初は何でこんな熱いお湯に入るのかと思っていたが、
カッと熱いお湯に入って、あがると体がとてもスキッとするわけです。
サウナみたいなもんですな。
私もかなり鍛えられて「その境地」を理解するまでに至ったが、それでもあの別府おやじたちにはかなわない。
あの人たちは「違う」。
しかし、ここ台湾の北投温泉では、本場日本のおんせん県で鍛え上げられた私の天下である。
日頃、別府温泉おやじたちにさんざん蹴散らされていたウサを、おもいっきり晴らしたのであった!
なにはともあれ、台湾で泉質抜群で高温の温泉湯治場文化がすっかり根付いていることはうれしいことであった。
台湾おやじたちとバトルを繰り返し、すっかりほとびきった私は、別府温泉よろしく、上気した顔で頭の上にタオルを乗せ、ニコニコしたがらゆっくりMRT駅に歩いて帰っていったのであった。