今日は図右下のウェンゲンという街まで鉄道で行き、ケーブルカーでメンリッヒェンまで上がり、クライネシャイデックまでトレッキングする。
ケーブルカー乗車。
ぐんぐん高度をあげていく。
メンリッヒェン到着。
ベビーカーも押せるトレッキングルート(笑)
ここから正面に左からアイガー、メンヒ、ユングフラウというスイスアルプスの名だたる名峰を仰ぎながらトレッキングする。
道の正面に見えるのはアイガーノードヴァンド(北壁)。
この写真を拡大してよく見てほしい。
前の人はベビーカーを押してる(笑)
アイガー北壁やユングフラウの見える中腹のトレッキングルートがベビーカーを押しながら半袖短パンで歩るけるなんて!
ここは世界最高の景色を誰でも簡単に楽しめるトレッキングルートだ!(笑)
左下に見えるのはグリンデルワルト。
道は続くがずっとベビーカーも押せる水平道だ。
アイガー北壁に並んでメンヒも見えてきた。
ユングフラウ(若い娘さん)という割には厳つい山容だ(笑)
クライネシャイデック
クライネシャイデック到着。
アイガー北壁を見ながら一杯やる。
ぷは〜っ
たまらん*^^*
腹ごしらえ。
ユングフラウ鉄道のクライネシャイデック駅はすぐそこだ。
鉄道に乗ると、ほどなくアイガーグレッシャー駅に到着。ここからは岩盤内のトンネルになる。
ユングフラウ鉄道
このトンネルは眼前のアイガーの山腹をくり抜いて、アイガーの山体の中を登りユングフラウヨッホに抜ける。(ヨッホとは鞍部の意味ユングフラウ山頂から700m下にある)
しかも開業は1912年だから今から111年前よ!(日本ではようやく山陰本線が全線開通した年)
日本でたとえれば、上高地から穂高の山腹をくり抜き、槍ヶ岳の肩に向かってトンネルを掘り、槍の肩(槍ヶ岳山荘あたり)に駅作るようなものよ!@@
もはや山の神への冒涜と言えるようなトンネル(笑)
槍ヶ岳山頂は3180mでユングフラウヨッホ駅は3466mだから、槍ヶ岳に駅作るよりももっとすごいのよ!
それがユングフラウヨッホ駅よ!
まぁ頭おかしいレベル(笑)
それでユングフラウヨッホ駅は、岩盤の中に広大な空間を掘って、その中全体を暖房して、レストランやショッピングモール、展望台などを作り上げてる。
核戦争を生き延びるために分厚い岩盤の中の核シェルター基地もこんな技術で作るのだろう。
えらいものを作ったもんじゃ!
その岩盤をくり抜いた巨大空間から暖房の効いたガラス張りの展望台にあがり外に出る。
中腹のトレッキングルートでは半袖短パンの人もいたがさすがにここでは無理だ(笑)
夏を過ぎてなおこれだけの氷河が残る4千メートル級のアルプスの岩峰を一般人が登るのは難しい。
普通なら決して来ることができない空間に自分の足で立てるのはやはりすごい経験だ。
ユングフラウヨッホはあまりに有名な観光地だが、やはりスイスに来たらぜひこの絶景を見ておきたい。
世界のどこにもこんなところに列車に乗ってこれる鉄道はない。
再びユングフラウ鉄道でアイガーの岩盤の中をクライネシャイデック駅まで下り、ケーブルカーでアイガー北壁を見ながらグリンデルワルトまでおりる。
グリンデルワルト
グリンデルワルトがまた驚異よ!
日本で言えば上高地より上に人が住んでるようなものよ!
上高地でさえGW頃に山開きし、11月には閉山する。冬季の約半年は雪が多くて人は住めない。
グリンデルワルトからの眺めは、上高地からの眺めではない。上高地から登山装備に身をかため、重いザックを背負って6時間歩いてようやく到着する穂高連峰の登山基地、涸沢カールからの眺めよ!
本来は登山者しか眺められない。
眼の前にバーン!と岩峰群がそそり立つ。
そこに人が住んで街がある。
上高地でさえ冬季は人が住めない。まして涸沢カールは雪崩の巣と言われていて、涸沢で雪崩に襲われないのは、涸沢小屋と涸沢ヒュッテがある2箇所だけだと言われている。それ以外の場所に小屋を建てても毎冬雪崩に押し潰される。
日本は海に囲まれているから雪が多く、スイスは少ないからこんなところに人が定住できるのだろうが、それにしてもすごい。
グリンデルワルトはそんなところだから駅から少し離れた私の今夜の宿への道は急登だ。
涸沢カールみたいなところに人が住んでるのだからしかたがない。
宿までの道の途中の町並み^^;
町の中でも登山である(笑)
今夜の宿。
グリンデルワルトのどこからでもバーン!とそそり立つアルプスの岩峰群が見える。
いやいやいやすごい眺め^^;
陽気な宿のオヤジさんが勧めてくれたレストランは、駅の近くだ。
えっ?
と、いうことは今「登山」してきたばかりのこの道をまた下って、ご飯食べて、また登山しなければならないの!><
あ〜もう今日はいっぱいトレッキングして疲れた。トレッキングルートは水平だったけど、駅から宿への「登山道」が一番疲れた。
もう今夜はこのままベッドで寝て、明日の朝駅に「下山」してご飯食べようかなと迷ったが、せっかくだからと気を取り直して、オヤジさんのお勧めのレストランに行くことにした。
まぁグリンデルワルトに暮らすということはこういうことよ。ちょっとした買い物や食事に出かけるのも下山であり、登山よ!(笑)
(ちなみにバスもあります)
宿のオヤジさんお勧めのレストラン。
アイガーノードヴァンド(北壁)見ながら酒のんだり飯食ったりする。
(ちょうど柱の影がアイガー北壁です)
上高地からは穂高連峰をこうは眺められない。これはやはり涸沢から穂高を見上げる眺めよ。
こんなところにレストランがあるんだからすごい!@@
ドイツでナチスが政権をとったころまだこのアイガー北壁は未踏で、最初に登った者にベルリンオリンピックの金メダルを授与するとヒットラーが宣言した。
そこで国の威信をかけて各国がアイガー北壁初登頂を目指して登山隊を送り込む。
そして登山隊が命をかけて登っているところをこういうレストランで、酒飲んでむしゃむしゃ飯食いながら双眼鏡で眺めた。
事実私が食事をしている眼の前で、テラスのテーブルに座り双眼鏡を手に北壁を眺めている人がいる。
垂直に1800mも続くヨーロッパ最大の北壁なものだから、登るのに数日かかる。
おっ!
今日はあそこまで登ったか!
今あそこにザイルをかけて、あのトラバースをやってるぞ!などと言う世界最高の金メダルをかけた戦いが見れる。
まぁオリンピックスタジアムの特等席で、酒と食事を楽しみながら金メダルをかけた競技を眺めるようなものよ。
そして当時、未踏だったと言うことは・・・
失敗し滑落し、死んでいったということよ!><
そのへんの事情は映画「アイガー北壁」に詳しい。
アイガー山体を貫くユングフラウ鉄道が開通した時は、まだアイガー北壁は未踏であり、初登頂の死闘が繰り広げられていた。
ユングフラウ鉄道にはアイガーヴァンドと呼ばれる開口部があり、
登頂に失敗した登山隊が何とかこの開口部まで撤退しようとしたが、カラビナに絡まったザイルをほどく力が残っておらず、開口部からわずか数メートル上で絶命した者もいる。
北壁で滑落し、ザイルが絡まって宙吊りとなり、2年間も遺体が回収できなかったこともあった。
これらのドラマすべてがこのレストランから眺められた。
グリンデルワルトとはエライところだ。